第3部 始祖の祈祷書
最終章 虚無
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くのよ!」
「あの村には俺の世界のものが他にもあるかもしれん。失うわけにはいかん」
ルイズはウルキオラの腕にしがみついた。
「だめよ!戦争してるのよ!」
「だから行くんだろう」
ルイズは首を振った。
「いくらあんたが強くても、あんな戦艦に勝てるわけない!勝てたとしても、無事じゃすまないわよ!」
「俺が人間に負けるとでも?」
ルイズはふにゃっと崩れた。
「死んだら、どうするのよ……いやよ、わたし、そんなの……」
ウルキオラは驚いた。
こいつは…ルイズは俺が勝てないと思ってるんじゃない。
俺を心配しているのだ。
ウルキオラはルイズの頭に手を乗せた。
ルイズは、普段では考えられないウルキオラの行動に目を見開いた。
「俺は死なん」
ルイズは顔を真っ赤にして俯いた。
「私も行く」
「なんだと?」
「私も行く!!」
「だめだ」
「やだ」
「だめだといているのがわからないのか?」
ウルキオラはルイズを見つめた。
ルイズはきっとウルキオラを睨んでいる。
しかし、そこにわずかに怯えている様子があった。
二人は暫し見つめあっていた。
すると、どこからともなく声が聞こえた。
『わた…をたた……せて……さい』
ルイズとウルキオラは、突然の声に驚いた。
「だ、誰?」
ルイズはあたりを見回す。
しかし、それらしき人影は見えない。
ウルキオラは歩き出した。
「お前か?」
歩きながら声を発する。
『やっと……たのですね』
また声が聞こえた。
「なに?誰なの?ねえ、ウルキオラ!」
ルイズはウルキオラを追いかけた。
ウルキオラを見る。
驚愕した。
ウルキオラの目の前にあったものは、緑色の体を持ち、どこか畏怖を思わせるもの。
ゼロ戦であった。
「あのときはまさかと思ったが、やはり貴様だったか」
ウルキオラはゼロ戦に向かって言い放った。
『はい。私です。ウルキオラ様』
ゼロ戦の声が再び聞こえる。
「こりゃおでれーた!こりゃー飛べるだけじゃなくて意思をもってんのか!」
ウルキオラの腰に差さっているデルフがかちゃかちゃと音を立ててしゃべった。
「いや、意思をもっているはずはないんだが……」
『その通りです。私はただの機械にすぎません。意思は持ち合わせていません』
ゼロ戦はウルキオラに肯定した。
「なら何故声を発している?」
『私に意思はありません。これは佐々木武雄様の意思です』
「佐々木武雄…お前をこの地に飛ばしてきた者の名か」
『はい』
ゼロ戦とウルキオラの話につ
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