第1話――無知な僕は何を手にするか
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コハクに苦笑しつつ、ウォーリーはエルザに問いかける。
名をしっているのは同じ時に来たので船に乗ってる時に多少会話したのだろうか。
「私はエルザ。ただのエルザだよ」
少し愁いの帯びた声でそういうとジェラールとコハクは少し動きを止めた。
「それはさみしいな」
ジェラールはポツリと呟いた。
「ねぇ、ジェラール。
エルザにも名前をつけてあげてよ。
僕もね。ナナシは自分で考えたけど、コハクはジェラールにつけてもらったんだよ」
「そう、なの?」
「うん、いい名前でしょ」
「うん」
エルザとコハクが話していると名前を考えていたジェラールがおもむろにエルザの緋色の髪に触れた。
「ちょ……何よぉ」
いきなりのことに驚きの声をあげるエルザ。
しかし、ジェラールはそんなことも気にせずに再び少し考え、ポロっと声を漏らす。
「きれいな緋色……そうだ!」
バッと顔をあげ考えていた名をつげる。
「エルザ・スカーレットって名前にしよう」
いい名だと思ったジェラールはエルザに笑いかける。
「名前にしようってオマエ……
そんな勝手に……」
その様子を見ていたウォーリーは呆れた声で言った。
「エルザ……スカーレット……」
照れたように微笑みながら、自分の名の元となった綺麗な緋色の髪に触れ、噛み締めるように名を呟いた。
「おまえの髪の色だ。
これなら絶対に忘れない」
「良い名前だね!」
「まぁ、俺もそう思うぜ」
二人が揃って言うと再びエルザは自分の髪に触れた。
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