第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十七日・夜:『悪心影』
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《阿呆が……覚悟も責任もなく、魔術を弄んだ愚物。相応の惨めさで果てろ!》
それが、真上に振り抜かれた。胸から上を失い、少年の残骸はくたりと転ぶ。
《これで、全てか》
後には、夥しい血の雨。降り注ぐ肉片。それを浴びて、元より血塗れだった装甲を更に紅く染めた鎧武者。本を拾い上げたその瞳が、落第生を見詰めた。
《…………》
「────」
刹那、少年は死を自覚した。こんな出来事を知りながら生かされる道理はない。そして、死を免れうる状態にもない。僅か十数年の生涯ではあったが、走馬灯のようなものも……見える事は、無くて。
「あ……」
踵を返した鎧武者は、路地の暗がりに消えていく。見逃されたのだと悟り、失禁しかける程の恐怖から覚めた彼は、ぽそりと呟いた。
「赤い……駆動鎧……」
後に“学園都市の都市伝説の一つ”となる、台詞を。『浜面 仕上』は。
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