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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十七日・夜:『悪心影』
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《“相転移刀(フェイズシフトガン)”────“陽炎(カゲロウ)”》
『ガ j d x g 、 ギ ァ ァ ァ m a k t p ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ j t m d k p ァ ァ ァ ァ ァ ! ! ! ?』

 『業のみが有り、位が無い』とされる裏柳生の暗殺居合剣。柄に手を触れる事すらもなく逆手に抜刀された長谷部により、巨球は────真っ二つに、一刀両断に断ち斬られた。

呵呵呵呵呵呵呵呵(かっかっかっかっかっかっかっか)! 図に乗り調子に乗り、この世に現れた虚構(うつけ)めが! この世は人の世、天地遍く人為なり! 貴様ら神仏魔羅(有象無象)の這い出る隙など、蟻の一穴すらも無いわ!》

 腐り果てた血飛沫を浴びる事もなく背後に駆け抜けたまま、残心を示した鎧武者。その()が吼える。快哉快哉と、叫びながら。

《“神魔覆滅(ばらんすぶれいかー)”────星辰の彼方に失せよ、雑兵めが!》

 緑色の灰と崩れ去ったグラーキの体内から、『T』と『]T』の銘を付けられた魔導書“グラーキ黙示録(グラーキ=アポカリプス)”が地に堕ちる。納刀してそれを掴み上げ、見詰めながら。

『あれが、“悪心影(あくしんかげ)”……かつて日本(ジパング)を征しかけた、魔王(サタン)

 黄衣の魔導師は、唾棄するかのようにその背中を睨み付ける。如何に『()()()()()()()()()』とは言え、紛う事なき旧支配者の一部を滅ぼした武者を。

 マントじみた黒母衣(くろほろ)と黒羅紗の陣羽織を纏い、挟箱のようなものを左右に一対背負って腰に二本を挿したその姿。大兵の鎧武者、身長は二メートルを遥かに越える。腕や脚も強靭そのものであり、魔術的な強化も窺えた。
 何より、その鬼気。それは、そう……『殺意』そのものだ。目に映る全てを殺し尽くす悪鬼修羅の類。アレは僅かとも、信じる事も頼みに出来ぬと彼女は悟る。

《……さて、と。じゃあ、戻ろうぜ》
『っ……!』

 その背中から掛けられた声に、正体を取り戻す。あらゆる敵の消え去った地下貯水施設。その虚ろの中でコンクリートを踏み砕きながら、武者が歩いてくる。

『……まだ、だ。他の所有者が外に逃げた。男が四人に女が三人』
《……そうだったな。じゃあ、手分けしようぜ。男は全て俺が殺る》

 魔導書を投げ渡す。代わり、『空間』を引き裂いて涙子を受け取る。有無は言わさない、言うのならば……と。意志を込めて、睨み付けて。

『ああ、良いよ。ただし、今日中だ』

 魔導師の言葉に、金属を擦り合わせる音を立てながら首是する。そのまま────

位相速度(フェイズベロシティー)────|正転《ポジティ
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