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とある六位の火竜<サラマンダー>
レベルアッパー
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しをされていたため視界に変化がなく気付かなかったがどうやら停電らしい、佐天に言われて小さな灯りをともしてやる。

(それにしても天気悪いわけでもないし、そもそもこんだけ科学が発展してる学園都市で停電ね……。今頃不良に接触してるであろう御坂さんなにもしてないよな……)

後ろから聞こえる慌てた2人の声を聴きながら、蓮はそんなことを考え、早く目隠しとりたいなあとため息をついた。





蓮としては初春の言葉で多少心が楽にはなった。だが、初春の言っていたことは自分が積極的に行動して行ったものではない。むしろ、彼女ら2人の近くにいることで自分が助けられているのだ。このままでは自分は彼女たちの心を、特に能力者へのあこがれが強い佐天の力になってあげることはできない。そう思った。そう思ったからこそ、蓮はその日の初春の家からの帰り道。

「なあ佐天。さっきは言わなかったけど、うわさで聞いたんだ。レベルアッパーってのは音楽でそのデータはどっかのサイトの隠しリンクとして存在するらしいよ。」

佐天にヒントを与えた。ヒントくらいなら自分が怪しまれることもないと考えた。巻き込みたくはないがそれよりも佐天の力になりたい、すこしでも佐天の心の重しを軽くしてやりたい。その気持ちが強かった。

「ま、ただの噂だけど……」

言い訳のようにつぶやく蓮はそうなんだーと言っている佐天の顔を複雑な表情で見る。ここまで教えて佐天がレベルアッパーを見つけるか、使うかは佐天しだいであり、そこまでは関与しない。それならいいだろう。自分のそんな考えがただのごまかし、なにかあった時の責任回避でただの逃げだと薄々自覚しながら。
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