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とある六位の火竜<サラマンダー>
レベルアッパー
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こえる水の音と2人の声に蓮は反応する。今、佐天が初春の背中をタオルで拭いてやっている最中なはずだ。そんななか蓮の視界は真っ暗。後ろを向くだけで十分だと思うのだが佐天に言われて目隠しまでされているためだ。信頼ってなんだろうと考えなくもない。

「神谷とか見てるとたまに考えるんだよね。高レベルの能力者になりたいって……。初春はどう?」
「うーんそりゃあレベルは高いにこしたことはないですし、就職とか進学もそのほうが断然有利ではありますけど……」
「やっぱり普通の学園生活なら外の世界でもできるわけだし、超能力にあこがれてこの都市に来た人って多いと思うんだよね。あたしもここの来る前の日は、あたしの能力ってなんだろうってわくわくして眠れなかったよ。」

こういう話をしているとき、蓮は決まって黙り込む。高レベルの能力者の自分がどんな言葉を2人にかけていいかわからなくなるから。そのことは佐天も初春もわかっているが、蓮が何も言わずにいてくれることもわかっている。そこまで考えて今は話したいのだろう。佐天は言葉を続ける。

「でもさ、ここにきて最初のスキャンであなたには全く才能がありません。レベル0です。だもん。あ〜あって感じ……。正直へこんだし……」
「その気持ちわかります……。私も能力のレベルは大したことありませんから……」

佐天の言葉に初春がそう言う。2人の声は沈んでいて、どれだけこの能力が重視される都市でこれまで悩んだかが垣間見えるようで蓮はとてもつらい気持ちになる。この時はレベル5といわれ、もてはやされる自分がいやになる。レベル5だからなんだというのだろう。過去のレベルが低かったころにはできたはずのことすら、2人の気持ちを少しでも軽くしてやることすら今の自分にはできない。

「でも……」

蓮がそんなことを考えている時、初春の声色が少し変わる。

「白井さんと仕事したり、佐天さんや神谷さん、松野さんと遊んだり毎日楽しいですよ。だってここに来なければみなさんと会うこともなかったわけですから。それだけでもこの学園都市に来た意味はあると思うんです。」
「初春……」

初春が心からそう思っていることが声だけでも伝わってくる。蓮としては多少は彼女たちの気持ちを軽くできていたのかなと考えることができ、佐天もなにか想うことがあったのだろう。かわいいこと言っちゃってなどといいながら初春にちょっかいを出す声が聞こえる。そんないつもどうりに戻った2人の声を聴きながら、蓮はほっとして佐天にやりすぎるなよと声をかけようとしたとき悲鳴が上がった。

「なんだ?初春、佐天!どうした!?」
「あ、ごめんなさい、神谷さん。停電してびっくりしただけですから大丈夫ですよ。」
「神谷ー灯り点けてー?」
「なんだ、そういうことか……はいよ。」

蓮は目隠
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