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とある六位の火竜<サラマンダー>
レベルアッパー
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危険視されている物。できれば佐天や初春は巻き込むわけにはいかない。でも、もしかするとレベルアッパーを渡して使わせれば多少佐天の気持ちを軽くできるのではないかと考えてしまった。

「佐天は使ってみたいの?」

だからこそ聞いてしまった。巻きこむわけにもいかないのに。レベルアッパーにこの2人を近づけるわけにはいかないのに。

「んー……興味はあるけど……ほんとに効果あるのかな?」
「さあ……あ、でもズルして能力を上げるなんてダメですよ?」
「わ、わかってるって!大丈夫、使ったりしないって……あ、そういえば!」

慌てたように話題を変える佐天。その様子を蓮は複雑な気持ちで見守る。レベルアッパーの詳細を知っている身としてはどうするべきか考えながら。





「そう、そのパーソナルリアリティっての勉強しておけって言われたんだけどよくわかんないんだよね……」
「んーなんでしょうね……」
「自分だけの現実。知識としてはあるんだけど言葉にしろって言われると難しいな。」

トントンっと一定のリズムで包丁が動く音を聞きながら、3人は考える。課題を初春に手伝ってもらうお礼に佐天がおかゆをつくっているのだ。ちなみに蓮も手伝っているがお礼はなし。まあ、授業中似たような状況で不平等に課題を出された佐天の気持ちを考えれば仕方ないといえば仕方ない。

「あたしだけの……初春だけの……神谷だけの現実……そんなのあるのかな。妄想とか!?」
「あ、近いかも」
「え?」

妄想という案は適当に言ったのだろう。初春に肯定されて驚いている佐天に苦笑しつつ初春にかわって蓮が説明する。

「そうだな。近いかもしれないよ。妄想ってのはあれだけど思い込みとか信じる力とか。そういうものじゃないかな。」
「ふうん……」
「レベル1の私だけならあれですけど神谷さんもこう言ってますから近いと思いませんか?」
「ううん。レベルとか関係なく2人に聞いてよかったよ。ありがと、2人とも。自分だけの現実って言われても正直ちんぷんかんぷんだったけどなんとなくわかった気がする。」

初春の言葉に笑って言った佐天は煮込んでいたおかゆを味見してから言葉を続ける。

「あたしも信じていればレベル上がるのかな……?」
「大丈夫ですよ。佐天さんは思い込み激しいですから。」
「そのせいで勘違いも多くしてそうだしな。」

少し言葉に影が差した佐天にそう軽口で返す初春と蓮。そんな2人に佐天は小さく微笑む。

「結構ひどいこと言うね。君たちは。」

そんな佐天に蓮と初春はいたずらっぽい笑みを向けた。





「初春はさ……高レベルの能力者になりたいって思わない?神谷とか御坂さんとか白井さんみたいな。」
「え?」
「佐天……?」

後ろから聞
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