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とある六位の火竜<サラマンダー>
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て立ち上がる。考え事は一時中断。

「ずいぶんと余裕だな。ちょっとここんとこ説明してみろ。」
「へ?え、えーっと……」

余裕なんて一切ないと心で文句を言いつつ自分が悪いのは事実なので教科書を必死に見て答えらしき文を探す。松野が心配そうに見ているが席が遠いので頼るわけにもいかない。焦る佐天だったがちょうどそこで授業終了のチャイムが鳴った。

「あーもういい。」
「ふぅ……」
「次の授業までにパーソナルリアリティについて調べておくように。」
「へ……?」

帰り際に言われた先生の言葉に一瞬ほっとしていた佐天は呆然とする。その後、隣の席で寝ている蓮を不機嫌そうに睨みながらいつもより乱暴に起こす。

「神谷ー授業終わったよー」
「っつ……なんか今日叩き起こされた感がいつもより強いんだけど……?」
「気のせい気のせい。そんなことより初春のお見舞い行こうよ。」
「気のせいって……まあいいか。」

寝起きで頭が働いていない様子の蓮を急かし、佐天は自分の帰り支度も始める。まあ、教科書くらいしか鞄に入れるものなんてほとんどないのだが。そうして帰り支度の整った佐天が顔を上げるとちょうど松野が教室から出ていくところだった。

「あ、松野ー。一緒に初春のお見舞い行かない?」
「あー……今日は遠慮しとく。初春によろしく言っといて。佐天は課題も頑張ってね。」
「そっか、わかった。じゃあね。」
「うん。じゃあね。」

佐天の誘いを断り、松野は教室から出ていく。その後ろ姿を見ながら蓮と佐天は心配そうな顔をする。

「最近松野って元気なくない?」
「そうだな。遊びに誘っても最近来ないし、教室でも静かだし。」
「なんかあったのかな……」
「まあ、なんかあったらあっちから話すだろ。てか佐天、課題って?」
「神谷だって隣で寝てたのに私だけ怒られたの!」

佐天の文句を聞き流しながら蓮は教室から出ていく。2人とも軽い口調でいつもどうり話しているが、これまでも何も話してこなかったし聞いて来なかった以上、松野に2人は何も言うことができなかったのが頭の片隅に引っかかっていた。




「ってことで、お見舞いにきったよー!!」
「病人いる家で大声だすなよ、佐天。」
「「おじゃましまーす」」

それから、来る途中であった御坂と白井も一緒に初春の家に到着した蓮たちはそう声をかけて部屋の中に入る。整理整頓がきちんとなされた部屋の中で初春はベッドに横たわっていたが、思いのほか元気なようで蓮たちのことを見ると体をおこす。

「すみません、わざわざ……」
「気にすんなって。ちょっとじっとしててね……。まあ、微熱だけど今日はゆっくり寝てること。もうお腹出して寝たりしちゃだめだよー?」
「佐天さんが私のスカートめくってばかりいる
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