暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode34:モノリス・コード
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「なんだ!?」

 音のした方を慌てて確認すると、そこにはプロテクターに覆われた見知った背中があった。



☆★☆★



 参戦許可のブザーが鳴って、すぐ様隼人は行動を開始した。目隠しを引きちぎるように剥ぎ取って捨て、そして世界の心眼(ユニバース・アイズ)を発動。

 それが、幸運だったのだろう。すぐ横で発動した魔法の痕跡。それがなんなのかを判断するよりも早く、隼人は自身の体の前にファランクスの防壁を貼っていた。

 直後、ファランクス越しにも伝わる衝撃を受け、隼人は後方へ大きく下がった。

「あらら…六高にこんなやばい人いたのか。全くのノーマークだったなぁ」

 油断は禁物だったと隼人は笑う。しかしその視線は依然として、自分を吹き飛ばした存在へ向けられていた。

「チッ、あの不意打ちでも無理か!」

「悪いね。そう簡単にやられる訳にはいかないんだよ」

 遮蔽物のない岩場ステージで、二人の切り札が相見えた。
 状況は圧倒的に六高が不利。しかし相対する男の瞳に臆したものがないのを読み取ると、隼人もまた目の前の敵に集中を始めた。

 目の前の敵の評価を上方修正。どうやら一筋縄ではいかないと判断して、『手加減』という選択肢を破棄する。

「行くよ」

 告げ、隼人の動きが加速する。彼の常人を遥かに超える干渉力による加速は既に神速の領域。残像すら伴って、そして攻勢に出る。
 目にも留まらぬ高速移動の途中、狙い澄まされた無色の弾丸が六高エースに襲いかかる。サイオン改変の兆しをなんとか読み取った六高エースは間一髪でそれを躱すも、既にそこは隼人の包囲網の中であった。

「チェック」

 主人の指示が下され、周囲に滞空していた無色の弾丸総数十発。その全てが膨張した。
 響く轟音の果て、煙が晴れて現れたのは、意識を刈り取られ倒れ伏した六高エースの姿であった。

 試合終了のブザー音が鳴った。

「やったね森崎君、まずは一勝!」

「あ、ああ。やったな…」

「どうしたの? テンション低いよ?」

 君の人外っぷりに驚愕しているんだ、とは言わなかった。例え言ったところで理解しないのが目に見えているからだ。
 
 とはいえ、無難に初戦を突破することができた。誰一人として欠けなかったというのも大きい。しかしそれ以上に、六高のメンバー三人を一人で倒したことの方が、森崎にとって重要なことだった。

 恐らく、自分の小さな才能に溺れていた頃のままだったならばここまで上手い結果はでなかっただろう。少なくとも、あの陸津波を潜り抜ける事はできなかったはずだ。
 しかし、それができた。
 隼人にとってはそれは当たり前のことなのだろう。しかし森崎にとって、今回の試合は大きな進歩だ
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