Episode34:モノリス・コード
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的だ。
勝利を確信し、再び空気塊を森崎に向け放とうして、しかしそれは失敗に終わる。
「ぐぁっ!?」
六高アタッカーの背中に、空気塊が着弾していた。
自体が飲み込めず思わず上空の森崎に目を向けた六高アタッカーの目に写ったのは、落下しながらCADの銃口をこちらへ向けている森崎の姿。
森崎が隼人との修行で会得した魔法、『追尾型圧縮空気弾』。それを、得意のクイック・ドロウで六高アタッカーが攻撃を仕掛けてくる前に発動したのである。
比較的ポピュラーな魔法攻撃とはいえ、ポピュラー故にこそその威力は折り紙付き。
背後から碌な防御もできずに森崎の魔法を喰らった六高アタッカーは、そのまま地に倒れ伏した。
(よし、一人倒した…! このまま突っ切る!)
CADを握り直して、再び森崎は疾走を開始した。
だが、やられっぱなしで黙っていられる程、六高選手は穏やかではなかった。
「喰らえっ!」
「っ…!」
森崎を十分に引きつけてからの、ディフェンス二人がかりの『陸津波』。
掘り起こされた砂の奔流を前に、しかし森崎は冷静だった。
加速魔法をキャンセルして前方向への勢いを止めると、自身に移動魔法を発動。砂の津波から逃れるように後方へ下がりながら、CADの銃口を前に。
「撃ち抜け…!」
全力の集中力を以って放たれたのは、人一人分の大きさに絞った圧縮空気塊。やがてそれが砂の津波に触れると、一気に膨張。壁のような津波に、風穴が空く。
それを確認してすぐに森崎は移動魔法をキャンセルし、加速魔法を発動。風穴が空いた場所を潜り抜け、一気に敵モノリスの眼前に躍り出た。
「馬鹿な…!?」
必勝パターンであったはずの攻撃をたった一人、それも初見で破られた六高の二人のディフェンスの表情は、驚きに彩られていた。
そんな彼らを嘲笑うかのように、広範囲に座標を指定した風槌がその身を吹き飛ばした。
(あとは…!)
目の前に設置された黒色の立方体に向けて専用の魔法式を打ち込む。
モノリスが割れ、後は文字列を打つのみ。
そこで、一つのブザー音が鳴った。
「……くそ!」
このブザーが意味するのは一つ。
両チームの切り札の、参戦が許可されたのだ。
ルアーが配置された場所は、運営以外誰も知り得ない。ルアー自身でさえ目隠しをされ連れて行かれるのだ。
だからこそ、最後の強敵がどこから来てどこから攻撃を仕掛けてくるのか分からない。
そんな中で、モノリスの中に隠された五百十二文字のコードを打ち込むのはかなり危険な賭けだ。
そんな賭けに挑むよりも、森崎は残る最後の敵を倒す方が楽だと判断を下した。
直後、轟音が鳴り響く。
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