Episode34:モノリス・コード
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に、エリナが隼人の手伝いとして諜報活動をしているのは恐らく木場には伏せている。これ以上木場を踏み込ませると、彼も巻き込まれる可能性まで出てきてしまう。それはどうしても避けなければならない。なんの関わりもない一般人が、魔法師社会の闇に殺される事はあってはならないのだ。
「大丈夫大丈夫。無頭竜くらい、僕でもなんとかなるよ」
「……へ?」
ほのぼの顔でサラッと言われた言葉に、隼人は耳を疑った。
無頭竜くらい、なんとかなる?
「いやー、これでも僕は軍属だったんだよね。引退しちゃったけど、そこそこ頑張ってたんだよ?」
「え、そ、そうなんですか?」
とても信じ難いが、それでも発動した隼人の眼はしっかりと木場の纏うサイオンの波動を捉えていた。
あながち虚勢というわけでもないようだ。
「……すみません、よろしくお願いします」
この際、なぜ木場が今回の無頭竜の存在を知っているのかという疑問は置いておくことにする。
そんな事よりも、エリナの方が優先だ。
「うん、任せて。君は、体調を万全にしないとね」
そう言って、木場は走り去っていってしまった。
「……木場則武…一体何者だ…?」
寝不足でハッキリしない頭で幾ら考えても、思考は空回りするだけだった。
☆★☆★
今年のモノリス・コードは去年とは違い『囮』と呼称されるメンバーが一人増える。
大元のルール改変はないものの、ルアー自体には幾つかのルールが存在する。
一つ。ルアーであるメンバーはチームとは隔離されたランダムの場所から、更に五分後からのスタートとなる。
二つ。ルアーは敵チームに倒されるとペナルティとして自チームがモノリスへ打ち込まなければならないコードが増える。
三つ。ルアーが味方チームにより撃破された場合は上記のルールには従わない。
これだけを見れば、ルアーは圧倒的に不利であり、常に敵チーム、状況によっては味方チームにも狙われることになる。だが、それを逆手に取る作戦もある訳で。ルアーの加入により、中々に戦略の幅が広がったのだった。
それに頭を悩ませるのはどこの高校も同じ。隼人がルアーに選ばれたことで代理として一高チームリーダーとなった森崎は、体調を整えるためにサウンドスリーパーで熟睡している本来のリーダーの代わりに作戦を練っていた。
(…基本的には僕達が動かなければならないけど、ウチの囮は囮って器に収まりきらないからな)
しかし、隼人は良くも悪くも前日のアイス・ピラーズ・ブレイクで目立ち過ぎてしまった。試合相手となった高校はまず真っ先に隼人を狙っていくだろう。
(…九十九には揺動として動いてもらう
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