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魔法科高校の神童生
Episode34:モノリス・コード
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。確実に自分が強くなっているという実感が、彼の胸中を満たしている。

 もっとだ。もっと戦いたい。戦って戦って、そして自分の強さを証明したい。いずれ、憧れたあの背中に追いつく為に。

 優等生は、進化を続ける。



☆★☆★



 新人戦モノリス・コード予選第二回戦。
 完勝という形で先の六高を倒した一高は、次の試合が行われる市街地フィールドのスタート位置である廃ビルの中で、作戦の最終確認を行っていた。
 とはいえ、作戦の大きな変更はなし。ルアーである隼人以外は全員、先程同様の役割だということを確認しただけだ。

「よし、九十九にだけ頼る訳にはいかないんだ。アイツが出てくる前に試合を終わらせるくらいの勢いで行こう」

「おうよ」

「了解」

 三人の集中力は高い。一回戦で勢いに乗れたのが大きいだろう。更に、相手は現在最下位の四高。遅れを取ることはない。

「行くぞ」

 そして、試合開始のブザーが鳴る。
 彼らの頭上にある天井が崩れたのは、そのすぐ後のことだった。



☆★☆★



 試合開始のブザー音が鳴った瞬間に改変されたサイオンに、隼人は疑問と微かな不安を覚えた。

 世界の心眼(ユニバース・アイズ)を封じているとはいえ、隼人のサイオン感知能力は発動者と発動対象の座標を大まかに把握出来るほどである。

 隼人が魔法の発動者の場所を感知したのは市街地フィールドの西の廃ビルの中。そして発動対象の座標は、東の廃ビルだ。
 明らかにこの魔法はそこに敵がいることを前提としたものだ。なにせこの規模はビルが倒壊するレベルのもの。
 しかし、敵チームのスタート位置を事前に知らされることはあり得ない。開始直後に敵の存在を察知するか、それとも開始以前から索敵を初めていないと不可能な芸当。

 恐らくは後者だろう。隼人や達也の眼を以ってしても、今回の廃ビル同士の距離を一瞬で視る事は不可能なのだから。ならば、試合開始前から何らかの魔法で索敵を行っていたに違いない。
 それはつまり明確なルール違反。そして胸に募った不安からか、隼人は眼の封印を解いた。

 崩れ行く廃ビル。その中に、見知ったサイオン波が三つ。

「みんな!?」

 攻撃を受けたのは一高であった。
 そして、廃ビルの天井から圧し潰す魔法ーー、恐らく『破城槌』は屋内で使用した場合に限り、殺傷性ランクAという数値を誇る。つまりこのままでは、三人の命が危険になる。

「間に合え…!」

 消失(デリート)は肉眼で視認しているもののみに効果が発揮される。イデアから世界を視ている今では発動できない。

 故に隼人は、瓦礫の破壊を試みた。流石に全てを破壊するのは不可能だが、少しでも多く数を減らすためだ
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