暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
アサシン
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体化して必要な時に実体化するんです。」
「現界するのにも多少魔力が消耗していくからな。魔力供給が上手くいっていないのか・・・」

 そこで架は理解した。昨日から感じていた空腹や眠気、さらに脱力感は自身の魔力不足が原因だったのだ。
 本来サーヴァントは食事や睡眠を必要としないのだが、多少なりに魔力を回復できる。向こうの世界でもセイバーは魔力補給のためだと言って、こちらが度胆を抜くほどの量を食べていた。
 はっ!?まさか自分も、『腹ペコ王』の仲間入りに!?

 架が嫌な想像を働かせていると、先ほどまで考えていたヴァロナが「待てよ・・・」と呟き、そしてニヤリと含み笑いをこぼした。

「ルイズ、『コントラクト・サーヴァント』はやったのか?」
「へ?」 「・・・あっ!!」

 なんのことか分からない架に対しルイズは思い出したかのように大声を上げた。
 使い魔はただ召喚しただけでは意味がない。コントラクト・サーヴァントとは、その呼び出した使い魔と契約するための儀式なのだ。架は召喚してすぐに倒れたりしていろいろあったため、ルイズはすっかり忘れていたのだ。

「やっぱりな〜。だから架の魔力も不安定なんだろ〜よ。」
「ええ?いや、ヴァロナ君?契約は・・・むぐっ!?」
「ほれ、折角だから今やっちまいな。」

 何か言おうとしたコルベールの口を塞ぎ、未だにニヤニヤ顔のヴァロナ。
 架が訝しんでると、今度は目の前のルイズが顔を赤くして俯いているのに気が付いた。

「ルイズ、どうした?顔が赤いぞ。」
「ふえっ!?べ、べつに赤くなんかしてないわよ!!」

 いや思いっきり赤いです。
 架は知らなかった。ルイズとて、今ここで契約の儀をするのはやぶさかではない。しかし、問題は契約の方法にあった。

「い、いいわよっ!やってやろうじゃない!!」

 故に、たかが契約の一つでなにをそんなに意気込んでいるのか分からなかった。
 と、ルイズが杖を取り出してコホンと咳をひとつついてから詠唱を始めた。

「『我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ』」


 
 そして徐に目を閉じて、架と唇を重ねた。



「ッ!!?ッッッ!!!??」

 あまりの突然の行為に架は動揺を隠せずにいた。こんなに動揺したのは人生でも初めてではないだろうか。
 どのくらいしていたのかも分からず、ルイズが離れると同時に架は抗議の声を上げた。

「ちょっ!おまっ!!いきなりなんにすんじゃ!!」
「し、仕方ないでしょ!これが契約なんだから!」

 顔を真っ赤にして言い合う二人を見てヴァロナは愉快そうに笑い声を上げた。

「いやあ、いいものを見
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