暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
アサシン
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。けど、まだ分からないことだらけです。そもそも、これはカケルの世界での話でしょう。」
「う〜ん・・・。そのへんは俺もさっぱり・・・。」
頭を押さえながら難しそうな顔をするルイズ。架もそれは分からなかった。記憶はまだ曖昧だが、少なくとも自分はただの一般人だったはず。それが英霊として召喚されるなど考えられなかった。
それにコルベールが何か言おうとした時だった。
「待ちな。そっから先は俺も混ぜろ。」
「!」「えっ!?」
突然発せられた声に架とルイズは驚きの反応を見せた。
すると、テーブルの隅の方に置かれた席にぼおっと人の姿が浮かびあがった。
その人物を見た瞬間、ルイズからまたしても驚きの声が響いた。
足を机に投げ出し、頭の後ろで手を組むというだらしない体勢のその男。ややボサボサな髪、ヨレヨレのワイシャツと前を開けたスーツ着こんだその男は、ここに来る前に架とルイズの話にも出てきた人物――――――ヴァロナその人であった。
「どーも、『アサシン』のサーヴァントだ。改めてよろしくな。
ああ、言っておくがヴァロナってのは偽名だからな。」
ヘラヘラしながら二人に話しかけるヴァロナ。
それを見たコルベールは顔を顰めた。
「ヴァロナ君。まだ出てきていいとは言っていませんよ。」
「それ以上はこの世界のアンタじゃ限界だろ。俺が手伝ってやろうと思ってな。」
「それにしてもその言葉遣いと態度を直しなさい!」
「どうせ、正体を話すつもりだったんだろ。じゃあいいじゃねぇか。」
「そういう問題ではありません!」
目の前で突然繰り広げられる口論にルイズはあんぐりと口を開けている。
「コルベール先生が、マスターで、ヴァロナさんが・・・サーヴァント!!?」
「・・・。」
一方で、架は黙って二人の様子を見つめていた。
「おや、私やヴァロナ君のことであまり驚かないのですね。」
「ええ、まあ、俺が驚いているのは彼の口調の変わりようですが・・・。先生がマスターについては秘匿されているはずの聖杯戦争についてご存じだという時点で予想はしていました。それで、その傍にいるヴァロナさんもサーヴァントかもしれないと判断しました。」
「なるほど。」
言いながら架は全身を緊張させていた。何せ目の前にサーヴァントがいるのだ。この世界での戦闘は昨日が最初だが、あの時とは違い今は何も持っていない。ルイズを守りながら戦うのは難しい。
加えてここは敵の陣地だ。どんな罠が仕掛けられているかも分からない状況で迂闊に動き回るのは得策ではない。
「ああ言っておくが、今はまだ聖杯戦争は始まってないぞ。というか始まるかね。」
だが、ここヴァロナから予想外の言葉が出た。
「・・・は?それっ
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