暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
日常の変化
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まあ、そうだろうね〜。」

 実際、そうとしか考えられない。しかし、ギーシュには悪いが昨日の戦闘は架にとって全力ではなかった。故に使った魔力も多くはない。一晩休めば回復するはずであった。
 が、朝になっても一向に回復する気配がない。それに昨夜から、今までは平気だった食事や睡眠が必要になってきている。今朝だって寝坊して、ルイズに叩き起こされてしまったほどだ。

(何が起こっているのやら・・・)

「とにかくカケル、少し休んでなさい。今朝できなかった洗濯はメイドにでも頼んでおくから。」
「いや、さすがにそれほどではないよ。それに、決められたことをやらないのは性に合わん。」

と言って洗濯ものが入った籠を抱え、部屋を出ていこうとするが、その手前で振り返り、

「心配してくれてありがとな。」
「なっ!?べ、べつに心配なんか・・・!」

 胸の内を見透かされ、顔を赤らめて反論するルイズを見やり、架は部屋を出ていった。



「あ!カケルさん!?」
「ん?」

 今ではもう慣れた手洗いの洗濯を架に声をかける者がいた。
 顔を上げてみると、そこにはあの時のメイドであった。どうやら食器を洗いに来たらしい。

「あんたは・・・。」
「あ、あの、こ、この間は巻き込んでしまって申し訳ありませんでした!」
「い、いやそれはいいんだが・・・、とにかく落ち着け。」
「は、はい!申し訳ありません!」
 
出会って早々謝罪されてもなぁ・・・。
あまり人から頭を下げられることに慣れていない架はどう反応して良いのか分からなかった。
 
「そういや、名前はなんていうんだ?」
「は、はい、シエスタと申します。あ、あの、怒ってないんですか?普通あんなことをされたら怒るところですよ。」
「いや、怒ってるというか・・・、あれは誰に頼まれたんだ?」
「え、ええと・・・」

 架の質問にシエスタは口ごもった。先のシエスタの行為は明らかに自分からのものではない。つまり、シエスタに始めから架を巻き込むよう指示をだした人物がいるはずである。
 貴族に足蹴にされるのを楽しもうとした奴らの仕業か・・・。何にせよ、言ってもいいのやらという感じのシエスタの様子から、企んだ奴が「いる」というのは明白だ。
 口止めでもされているのかな?と架が思っていると、シエスタが思い出したかのように「あっ!」と声を上げた。

「そ、そうだ!カケルさんにお会いしたいという方がいるんですよ!こちらに来て下さい!」
「は?え?いや、それよりまだ洗濯が・・・」
「それくらい私たちでやりますから!さあ、こちらへ!」

 まだ途中の洗濯ものを置いてきぼりにして、架はルイズに手を引かれていった。



 
「いよう、よく来てくれたなあ!我らの剣!」

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