暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
日常の変化
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の外れに建てられたこの小屋は現在コルベールの自室兼実験室となっている。といっても机に無造作に置かれている薬品や試料の数々を見れば、彼が教師であることを知らない人が見ればかなり危ない人だと思われるかもしれない。
 と、暫く座って体を休めていたコルベールであったが、何かに気付いたように目を開けると徐に口を開いた。

「戻りましたか。それで、どうでした?あなたの目から見て。」
「確証はねぇんだがまあ間違いはないだろうな。そもそも人間が召喚された時点で、それしか考えられねぇんだが。」

 と、コルベール以外誰もいないはずの部屋から声が返ってきた。

「名前も俺がいた世界のものだったしな。『クラス』の方も大方見当がついた。」
「しかし、彼にはあまりその気がなさそうでしたが。」
「そうなんだよな〜。それに召喚時にあんなナリで呼ばれるってのも聞いたことはねぇし・・・。」

 姿なき声の言葉にコルベールは数日前のあの儀式を思い出した。血まみれの体、今にも暴れだしそうな血走った目、思わず戦闘の構えをとってしまうほど強烈な印象であった。

「いずれにせよ、可能性が高いことには変わりませんか・・・。」
「ああ。それで、どうするよ。今なら何も知らないままヤることができるぜ?」

 楽しそうな声でコルベール問いかけた。それはコルベールが一言でも「良し」と言えばすぐさま飛んでいきそうなほどであった。
 しかし、コルベールはそれを「馬鹿なことを言うんじゃありません。」と一蹴した。

「ミス・ヴァリエールは私の大事な教え子の一人です。その使い魔を始末することなど必要がありません。向こうから命を狙ってくるようでしたら話は違いますが、こちらから仕掛けることは絶対にないのであなたも肝に銘じておきなさい。」
「ふ〜ん。まあいいぜ。俺もアイツらは気にいったからな。」
 
 コルベールのきっぱりとした言葉に声の主も特に不満の様子はなかった。

「で、この後はどうするんだ。」
「ふむ・・・。ミス・ヴァリエールも自分が召喚したものを理解できていないようですし・・・」

 暫く考えた後、コルベールは顔を上げた。

「彼女を交えて、いろいろと話す必要がありそうですな。では、あなたにもやってもらいたいことがあります。」
「・・・はいはい。何ですか『マスター』。」





翌日

「ふう・・・。」
「どうしたのカケル?何だか疲れているみたいだけど。」
「いや、まあそうなんだよな。何かダルいというか・・・。」

 と、肩を抑えながら腕をグリグリと回している架。それをルイズは心配そうに(ただし見た目は普通を心掛けて)声をかけた。

「やっぱり昨日の決闘の所為?ほら、魔法を使いすぎると、精神的にも負担がかかるっていうし。」

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