暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第17話 解脱
[4/4]
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
止まれ。
刹那よ疾走し駆け抜けろ、時よ流れろ。
この安らぎを永遠としたくて、この感動に浸っていたくて
次なる未知を得るために、次なる感動を得るために。
永劫回帰の既知の世界を望むか?―――望む。
前人未到の未知の世界を望むか?―――望む。
二律背反にして、その二律両者を求める。
それは矛盾、それは水と油。
何方かを選べば、何方かを捨てねばならない。
だが、何方でもいいのだ―――彼女さえ居れば。
未知でも既知でも、天獄でも地獄でも、希望でも絶望でも
彼女と触れ合えるのなら如何な世界であろうとも頓着はしない。
だけども、認めない許さない諦めてなるものか――――斯の掛け替えのない宝石を、刹那の輝きを踏み躙る結末など。
あんな終焉など―――!!
「―――なんだ。」
脳内を錯綜する言語化するのが不可能な渇望、だがそれを抱いた瞬間酷い既知感に見舞われる。
何故だ、何故だ、何故―――俺はそれを、この世界の結末を
識
(
し
)
っている?
「―――ぐっ!?」
激しい頭痛、意識に
砂嵐
(
ノイズ
)
が走る。
激しい頭痛、断片化し意味の成さなくなった膨大な情報の奔流が意識を灼く。
許さない、認めない、消えてなるものか―――このよう結末など!!
愛しきものを守り切れず消えてなるものか!!!
形を成さなくなった雑多な記憶、それに宿る感情が自我を焼く。
もう一度……繰り返そう。
一度でダメなら十度、十でダメなら百、百でダメなら千、千でダメなら万、万でダメなら億、億でダメなら兆、兆でダメなら那由他。
勝てるまで繰り返し続けよう――擦り切れ、磨り減った思念がしみ込んでくる。
違う、今までそれを認識できていなかっただけで、それは最初からあった。
「何だ……この苦さは――――嫌いだな。」
過ぎ去った既知感に伴う後苦さに眉を寄せ、忠亮は冬の空を見上げた。
何処までも透き通るような蒼天、そこに薄らと浮かぶ三日月を睨み付ける。
「―――此度の輪廻は些か趣が違うようだな。この貴重な回帰、是非ともモノにする。
己は、人類の存続程度で満足はしないぞ……我が怨敵悉くを滅尽滅相し、そして天へと攻め上る。」
気付けば、半ば無意識そう口にしていた。
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ