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Chapter-4 シリカとピナ
Story4-8 理不尽な世界
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は単なるデータに過ぎない。そんなものよりもっと大事なものがたくさんある。だから、次は現実世界で会おうよ。そうしたら、きっとまた同じように友達になれるさ」

「だな」


2人はとても温かい。

――シャオンさんは頼りがいのある幼馴染みで、キリトさんはお兄さん。

幻想の世界で出会ったこんな偶然を大切にしたい

シリカは旅の間ずっとそう思っていた。

「はい。きっと、きっと……」

シリカは心から笑顔になれた。

それを確認した二人も、笑顔を。

「じゃあ、早く君の友達を呼び戻してあげなよ」

「はい!」

シリカは頷き、左手を振ってメインウインドウを呼び出した。

アイテム欄をスクロールし、ピナの心を実体化させる。

ウインドウ表面に浮かび上がった水色の羽根を備え付けのテーブル上に横たえ、プネウマの花も呼び出す。

「その花の中に溜まっている雫。それが蘇生の要。
それを心に振り掛けるんだ。それで、魂は、ピナは戻ってくるよ」

シャオンが、傍で見ながらそう言う。

「分かりました」

水色の心。ピナの羽を見つめながら、シリカは、心の中で囁きかけた。

『ピナ、いっぱい、いっぱいおはなししてあげるからね?今日の凄い冒険の話を、ピナを助けてくれて、あたしを助けてくれた……』

また、目に涙が溜まる。


そして、それが目から弾けて

『あたしのたった1日だけの、大好きなお兄ちゃんとたった1日だけの幼馴染の事を……』

シリカは、そのまま右手の花をそっと、羽根に向かって傾けた。

暖かい光で、部屋がつつまれた。















Story4-8 END
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