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SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-4 シリカとピナ
Story4-7 思い出の丘にて
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行って覗き込むと……

「え……ない、ないよ、シャオンさん!」

「慌てるなって。よーく見ればあるんだよ」

シリカは言われるままにもう一度岩を覗き込んだ。


すると、シリカがビーストテイマーだと認識したのか、柔らかそうな草の間に一本の芽が伸び、シリカが視線を合わせるとフォーカスシステムが働き、更に細部に至るまでわかる。

若芽はくっきりと鮮やかな姿へ変わり、先端に大きなつぼみが出来た。


それはゆっくりと開き、真珠の様な雫が生まれた。


シリカは、それに手を伸ばす。


絹糸の様に細い茎に触れた途端、氷の様に中ほどから砕け、シリカの手の中には光る花だけが残った。


そして、そのアイテム名は

『プネウマの花』

「果報は寝て待て、ってな。

寝ちゃダメだけど」

「これで、ピナを生き返らせれるんですよね」

今日一番の、幸せそうな笑顔だった。

「そうだよ」

「その雫を心アイテムに振り掛ければOK。
だけど、ここは強いモンスターが多いから、もうちょっと我慢して、町に着いてから、な?」

「はいっ!」

シリカは満面の笑みでアイテム欄に花を収納した。

「よかったな」

シャオンはキリトに聞こえるようにそう言う。

シリカは、この会話には気がついていない。

プネウマの花に釘付けになっているからだ。

「ああ。ありがとな、シャオン」
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















その後、シリカは転移結晶で一気に飛んでしまいたかったが、徒歩で帰る事にした。

転移結晶は、高価なものだからギリギリの状況で使うべきものだからだと判断したからだ。

シャオンとキリトの2人がいれば、シリカに危険は無いだろう。













幸い、帰り道では殆どモンスターと出くわす事はなかった。


――あと少し、ほんの少しで、会える。ピナに……




シリカは弾む胸を抑えながら先頭で小川にかかる橋を渡ろうとした時。

「……シリカ」

シャオンから呼ばれた。

シリカは驚いた。

その声が強張っていたのだ。


振り返ると2人の表情ががらりと変わっていた。

まるで、何かを警戒するかのように。





シャオンたちは、橋の先を睨みつけている。

「え?ど、どうしたんですか?」

シリカは何も感じない。

「そこで待ち伏せているやつ、出てきたらどうなんだ?」

「えっ?」

2人が睨んでいる場所。

橋を少し超えた先にある木立。

シリカも
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