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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十六話 齟齬
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も我々の支配下にある事を嫌々であろうと認める筈だ。辺境星域平定に大きく前進する事になる。
辺境の平定が終われば本体に合流だ。本隊は思う様に貴族連合軍の平定が進んでいない。いやむしろ痛めつけられている。ミッターマイヤー提督は負傷により離脱しケンプ提督も脱落した。補給物資も奪われ皇帝陛下、リヒテンラーデ公、グリューネワルト伯爵夫人も攫われた。伯爵夫人達人質は取り返したが陛下は貴族連合軍に留まった。どう見ても劣勢にある。
貴族連合軍、特にブラウンシュバイク公爵家に所属する部隊が手強い。内乱が始まる前から厄介な相手だとは分かっていたが正直ここまで手強いとは思わなかった。反乱軍などより余程に手強いだろう。なんでこんな連中が貴族の私兵なのか、さっぱり分からん。
「リッテンハイム侯の艦隊は五万隻を超えると聞きました」
ハウフ中尉の言葉にライブル参謀長が頷いた。
「我が軍が四万隻、一万隻程多い。だが偵察隊の報告によれば艦艇は機能別に配置されているわけでは無い。火力も機動性も異なる艦艇が雑然と並んでいるそうだ。烏合の衆だ、恐れる必要は無い」
参謀長が俺を見た。間違ったことは言っていませんよね、そんな感じの視線だ。正直可笑しかったが笑う事は出来ない、黙って頷いた。
貴族連合の副盟主、リッテンハイム侯が辺境星域奪回の軍を起こした。もっとも内実は違う、ブラウンシュバイク公爵家が赫々たる武勲を上げ皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世も手中に収めた。その事に反発したリッテンハイム侯が辺境星域奪回を名目にして独自の軍事行動を起こした。そんなところらしい。連中は今このキフォイザー星域にいる。開戦は明日だろう。
失敗だったな、ブラウンシュバイク公爵家が手強いからリッテンハイム侯爵家も手強いだろうと思ったが結局は他の貴族同様、ただ艦艇を集めただけか。それならむしろ出撃せず予備としておいた方がこちらに対する脅しになった。これまで出撃しなかったのはブラウンシュバイク公が止めたのだろう。張子の虎でも相手が見間違ってくれれば意味が有ると。だがそれもリッテンハイム侯の我意で崩れた。あとはそれを戦場で証明するだけだ。
帝国暦 488年 9月 23日 キフォイザー星域 ルッツ艦隊旗艦 スキールニル コルネリアス・ルッツ
敵味方合わせて十万隻に近い大軍が向かい合っている。向こうは五万隻が密集隊形をとっている。おそらくは一斉に攻撃してくるのだろう、数の差で押し切ろうというわけだ。こちらは俺とワーレン提督が約二万隻ずつ率いて斜線陣を布いている。総司令官のキルヒアイス提督は八百隻を率いてワーレン艦隊の陰に隠れた。
先ず俺の艦隊が敵と接触するはずだ。そして次にワーレン提督が敵と接触する。その僅かな時間を利用してキルヒアイス総司令官が敵の右側面に回り
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