九校戦編
第17話 策
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ア魔法に揺らぎを感じた。ふとそのことに疑問を覚える。
しかし、500mを歩いてきた司波達也と陸名翔の2人だが、陸名翔についてはあの奇妙なフード付きローブをきていないことも不思議なことだ。それを気にする余裕はあったが、砲撃魔法を放ったところ、ほとんどは司波達也の術式解体『グラム・デモリッション』に迎撃されて、司波達也からの振動系魔法や、吉田幹比古からと思われる雷撃魔法を防御魔法で防ぐというところがあるので、砲撃魔法は昨日までと同じ速度しかだせないところに焦りを感じはじめていた。
一部の迎撃されなかった魔法も、4色の球体の間の空間で、防がれた。しかしエリア魔法と思われた物は結界魔法の一種なのだろうとはわかったが、接近してくるうちに、砲撃魔法を撃ち込むたびに、その結界に揺らぎを感じる。将輝の判断は、攻撃優先。防御魔法を相手の攻撃から耐えられるぎりぎりのところまで弱くして、砲撃魔法の事象改変力を最大にして放った。しかし、そう思った瞬間に意識がとぎれた。
これで終了のサイレンが、鳴って決勝戦は終わったのが、あとで一条将輝がみた画像だった。
しかし、これも観る人間が観れば違い、例えば来賓席で観戦していた九島列が愉快そうにしながら、席をたっていた様子がある。
僕は勝ったと認識したところから振り返ってみると、今の攻防は僕らからみると、最初の達也が振動系魔法を放つ瞬間に、その後ろで、僕が短身型の特化型CADをローブの中で真下に向けたまま使った。照準補助がついていないタイプだからこそできる芸当だが、照準はプシオンを経由しての幽体……人間ならば同じ形状をとるので、その座標にむかって振動系統魔法を放った。これによって、いかにも達也が撃ったかのように見せるもの。
そして雷撃魔法は、幹比古の雷童子『らいどうじ』の派生形。振動系魔法にも有効な防御魔法は織り込んだ上での、あくまで予備のための魔法だったのだが、カーディナル・ジョージの防御魔法の発動の遅れが、結果としてそのまま雷撃魔法を受け止めてくれて、倒れてくれたというものだ。もしかして、防御魔法が遅いので、ディフェンス位置にいたのかなというところだ。それがなかったら、もう1回振動系魔法をカーディナル・ジョージに放つ予定だったが。
そんな意識とは別に、古式の結界魔法で最速でおこなえるのは、火精結界。発火念力の先天性スキルをもつ僕とは相性のよい精霊だ。他の精霊には嫌われていないというところぐらい。むしろ精霊に好かれているのは幹比古だ。
達也より渡されたローブに縫いこまれていた魔方陣には、円明流合気術の古式魔法の初伝で、練習用に使用するものも織り込まれていた。ようは精霊を制御するのに、2人で制御して相手に制御を渡して、練習をするものだ。
師匠が、九重先生のところに送ったのだろう。
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