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101番目の舶ィ語
第十八話。始まりの終わり
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たいな年頃の女の子がたらしこんだとか言ってはいけないよ」

「ふふっ、はーい」

ヤシロちゃんは注意すると、素直に返事をしてくれた。
ヤシロちゃんの見た目は7、8歳くらいだが年齢は知らない。
本当の年齢はもしかしたら見た目よりも上なのかもしれないけど、女性に年齢なんて聞けないからね。
まあ、外見は幼女だし幼女枠でいいか。
それにしてもヤシロちゃんのなんと言うか、仕草とか、雰囲気が誰かに似てると思ったらあの人にソックリなんだよなあ。
この前会った時も白い帽子被っていたが、そういう帽子好きなところとかも似ている。
ひょっとして知り合いとか、親戚だったりするのだろうか?

「それでお兄さんはどんな物語を作っていくつもりなの?」

「そうだなあ……かなり難しいんだけど……」

「あれ? 何か思う事があるんだ?」

ヤシロちゃんは不思議そうな声を上げて俺に向き直った。
幼女に不思議そうに見つめられる俺って……なんと言うか。
『この人、ちゃんと考えてたんだ??』って言われているような気がして何か嫌だな。俺の考え過ぎだとは思うが。

俺もヤシロちゃんを向く形になり、せっかくなのでしゃがみ込んだ。
この角度でもギリギリ顔は見えないが、愛らしい口元は見えた。

「うん。『不可能を可能にする男』の物語はまだ解らないけど『百物語』は終わりのない物語、ネバーエンディングなストーリーにしようかな、と思っているよ」

「ふえ? ハッピーエンド、とかじゃないんだ?」

「それだと全部終わっちゃうからね。キリカも、一之江も。
ハッピーエンドだと彼女達の身が危ないかもしれないだろう?」

ハッピーエンドは一見すると、全てが解決してめでたし、めでたしとなる、と思われるが、俺達ロアからして見ると『存在性』のアピールを終わらせる場所としての意味合いも含まれる。
物語が終われば、俺達ロアは消えるのだから。

「うん、そうかもしれないね」

「だから、俺はこの物語を終わらせない。百の物語を集めても、俺の物語はずっと続けてみせるよ、ヤシロちゃん」

「へえ……」

「百物語なのに、俺は101番目の物語なんだよね? つまり、規格外のハンドレッドワンなわけだ。だから、俺の物語はそのまま繋げてもいいはずだ!」

「出来る、って思ってるの?」

「うん。俺は『不可能を可能にする男』でもあるからね。
だから終わる物語を終わらせないように変えてみせるよ、ヤシロちゃん」

「ぶっ! あははは??」

俺の発言の何処かが、笑いの琴線に触れたらしく大笑いを続けるヤシロちゃん。

「ほんっと、面白いね、お兄さんって」

「そうかな? ヤシロちゃんみたいな可愛い女の子が喜んでくれるのなら良かったよ。
可愛い
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