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101番目の舶ィ語
第十八話。始まりの終わり
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を見せたら食べちゃうけどね?」

「うっ……つまり、それは……」

「はあ……貴方は先程、キリカさんを写真で捉えた事により、魔女と契約してしまったのですよ。
キリカさんが満足する物語を見せ続けないと、貴方ごと食べられてしまう、と」

「ちょっ、嘘だろ??」

「あはっ!
不束者ですが、よろしくお願いします、マスター」

「マスター??」

「うん、私達ロアを使役する事が出来るマスターだからね。
それとも、ご主人様がいい?
旦那様がいい?それとも、あ・な・た?」

「そのネタは既に私がやってしまいました、キリカさん」

「おおう、既に夫婦漫才も抑えていたとは、流石だね瑞江ちゃん」

「いえいえ、それほどでもあります」

「あはははっ!」

「ふぅ……」

キリカの突き抜けるような笑い声と、背後の呆れるような、諦めるような……しかし、どこか嬉しそうな吐息。その二つを聞きながら、俺は霧が晴れていく公園を眺める。

「さて、俺は2人の美少女をお持ち帰りしていいのかな?」

「冗談は存在だけにして下さい」

「存在を否定された??」

「流石にお家に行くと、従姉妹さんが気にするだろうからね。私はお家に帰るよ」

「え? お家って、ええと……」

キリカのような魔女に家と呼ぶべき場所はあるのだろうか。
童話に出てくるような森の中にあるひっそりとした小屋や洋館だろうか?

「この街には長居する事になるみたいだからね。少なくとも残り98個の物語を集めないといけないんでしょう?」

「あ、あー、うん。そうだね。そうなるな」

残り98個。
まだ98個というべきなのか、もう98個というべきなのか。
どちらにしても全て集め終わるまで先は長いな。

「モンジは女を口説くのは得意ですが、それ以外はきちんと教えていかないとなりませんからね。私達の主人公になって貰う為に」

「そうだね。一緒に叩き込んでいこうね、瑞江ちゃん」

「ええ、ザクザクグサグサ叩き込みましょう」

「うんうん。モグモグムシャムシャ叩き込むよ!」

「ははっ、可愛い2人に教えて貰えるなんて光栄だね。
だけど2人が言う言葉の擬音が大変嫌なものな件について、ちょっと異議があるんだけど」

「「却下!」(です)」

2人同時に却下された俺は、肩をがっくりと落としながらもすぐ様2人に話しかける。
すぐめげるだけでは女の子を幸せになんて出来ないからね。
それに、こんなに可愛い2人が俺の側にいてくれたんだ。
俺だけが落ち込んでるわけにはいかないからな。

「よし、それじゃあ帰ろうか!」

直ぐに思考を切り替えて、正面のキリカと背後の一之江に告げる。

「うん。そうだ……あ!」


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