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101番目の舶ィ語
第十八話。始まりの終わり
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、って思ったけどさ、あはっ」

流石キリカ。
男がされると嬉しい行為をよく知っているな。
だが、それをしなかった理由がやっぱりあるわけで。

「ほら」

キリカのその言葉で……

「うん?」


チクリ。


自分の背中に何か刃物的なものが当てられている事に気付いた。

「貴方は誰にでもそうやって言うのですね」

一之江の地獄の底から響くような声が背後から聞こえた。

「ちっ、違うよ!そう言うんじゃないよ!」

思わず浮気がバレた亭主みたいな事を言ってしまった。

「ちなみにね、モンジ君」

「あ、うん、何かな、キリカ?
って痛い痛い痛い痛い痛いっ、刺さってる、何か冷たいものが俺の背中に刺さってるっ!」

「私達ロアにとっては、『自分の物語になれ』って、プロポーズみたいなものでね」

「痛でえええええぇぇぇぇぇ……って、え?」

プロポーズという言葉に、痛みも忘れてキリカを見てしまう。

「お前のロア人生、俺のロア人生にしてやるよ……みたいな。未来永劫、一つの物語として共に歩もうね、みたいな意味になるの」

「え? 本当か?」

「本当本当!」

それは確かにヤバい。

一之江()を俺の大事な物語に出来るように頑張るから』

俺は昨晩、一之江にも『俺の大事な物語にする』という発言と似たような事を言い、そしてキリカにも今言っちまったからな。

「スケコマシさんだね、モンジ君ってば」

その評価、いらん。
女性と関わりたくないんだよ。
普段の俺は。
だが、悲しかな、こっちの俺は、クラスメイトの2人にさりげなくプロポーズまでしまっている。

「人生って上手くいかないものだよなー」

「ですね。でもいいじゃないですか。貴方にはピッタリな伴侶(相手)がいますから」

「へ? 誰だ?」

「この間の四条先生とでもバラバラしてて下さい」

「それはごめんこうむりたい」

「モンジ総受けで」

「言葉の意味は解らんが、とにかく嫌な響きだな??」

「えいえいっ」

「やめろー! 背中にこれ以上刺すな!」

俺の背中を何か鋭利なものでザクザク刺す一之江。
それが何なのかは解らんが、解らん方がいいな。
一之江が背後にいる限り、刺されても死なないはずだし。
痛いけどな……。

「ふふっ、まあ、いっか」

そんな俺達を見つめていたキリカは、ふう、と溜息を吐き出すと______

「こんなにワクワクさせられたのも、ドキドキしたのも初めてだから……」

「うん?」

「だから、そうだね。もう少しモンジ君の側にいるのも楽しいかもしれないね」

「え? それじゃあ……」

「うん。面白くない物語達
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