第十八話。始まりの終わり
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、って思ったけどさ、あはっ」
流石キリカ。
男がされると嬉しい行為をよく知っているな。
だが、それをしなかった理由がやっぱりあるわけで。
「ほら」
キリカのその言葉で……
「うん?」
チクリ。
自分の背中に何か刃物的なものが当てられている事に気付いた。
「貴方は誰にでもそうやって言うのですね」
一之江の地獄の底から響くような声が背後から聞こえた。
「ちっ、違うよ!そう言うんじゃないよ!」
思わず浮気がバレた亭主みたいな事を言ってしまった。
「ちなみにね、モンジ君」
「あ、うん、何かな、キリカ?
って痛い痛い痛い痛い痛いっ、刺さってる、何か冷たいものが俺の背中に刺さってるっ!」
「私達ロアにとっては、『自分の物語になれ』って、プロポーズみたいなものでね」
「痛でえええええぇぇぇぇぇ……って、え?」
プロポーズという言葉に、痛みも忘れてキリカを見てしまう。
「お前のロア人生、俺のロア人生にしてやるよ……みたいな。未来永劫、一つの物語として共に歩もうね、みたいな意味になるの」
「え? 本当か?」
「本当本当!」
それは確かにヤバい。
『一之江を俺の大事な物語に出来るように頑張るから』
俺は昨晩、一之江にも『俺の大事な物語にする』という発言と似たような事を言い、そしてキリカにも今言っちまったからな。
「スケコマシさんだね、モンジ君ってば」
その評価、いらん。
女性と関わりたくないんだよ。
普段の俺は。
だが、悲しかな、こっちの俺は、クラスメイトの2人にさりげなくプロポーズまでしまっている。
「人生って上手くいかないものだよなー」
「ですね。でもいいじゃないですか。貴方にはピッタリな伴侶がいますから」
「へ? 誰だ?」
「この間の四条先生とでもバラバラしてて下さい」
「それはごめんこうむりたい」
「モンジ総受けで」
「言葉の意味は解らんが、とにかく嫌な響きだな??」
「えいえいっ」
「やめろー! 背中にこれ以上刺すな!」
俺の背中を何か鋭利なものでザクザク刺す一之江。
それが何なのかは解らんが、解らん方がいいな。
一之江が背後にいる限り、刺されても死なないはずだし。
痛いけどな……。
「ふふっ、まあ、いっか」
そんな俺達を見つめていたキリカは、ふう、と溜息を吐き出すと______
「こんなにワクワクさせられたのも、ドキドキしたのも初めてだから……」
「うん?」
「だから、そうだね。もう少しモンジ君の側にいるのも楽しいかもしれないね」
「え? それじゃあ……」
「うん。面白くない物語達
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