マブラヴ
0866話
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気にするなと首を横に振る。
「ま、このマブラヴ世界では初めて召喚獣をその目で見たんだ。幸運だったと思うんだな。それよりも中に戻るぞ。洋上プラント内部にいるキリスト教恭順派をどうにかしないといけないからな」
「……あ、はい! そのこっちです」
ようやく我に返ったのだろう。海風が吹きすさぶ中で慌ててそう告げて中へと入っていく。
その瞬間、早速とばかりにアルトのVF-25FにF-15Eが撃破された爆発音が聞こえてくるが……本当に生かして捕らえてるんだろうな? まぁ、その辺の心配はアルトの技量を考えればそんなにいらないか。
そもそもオーストラリア国防軍との演習の映像データでも見ていない限り、戦闘機が攻めてくるというのはこの世界の住人にとって完全に未知の領域だろうし。
ともあれ早速とばかりに放たれた幾つもの爆発を伴う戦闘光をそのままに、俺と国連職員は施設の中へと入っていく。
相変わらず非常警報が施設の中へと鳴り響いている為に、人の姿は殆ど存在しない。そんな中、国連から派遣された男は周囲の様子を眺めつつ口を開く。
「えっと、それで施設に侵入しているキリスト教恭順派を全員捕らえるって事でしたが……どうやるんです?」
「それ程難しくはない。さっき見たのとはちょっと形式が違うが、召喚魔法を使ってな」
言葉を返し、指をパチンと鳴らすと空間倉庫が展開され、そこから銀色のスライムが姿を現す。
「ひぃっ! ……え? えっと、その、これは……」
突然の光景に驚愕の声を上げた男だったが、空間から伸びているのが銀色の半ば液体、半ば固体のような存在だと知ると、予想外だとでも言うように尋ねてくる。
「俺の召喚魔法の1つ、スライムだ。これを使う」
「これを……ですか? その、どうやって?」
訝しげに尋ねてくる男だが、それには特に何も言葉を返さずにスライムを細く、細く……それこそ0.01mm程度の細さへと変えていく。
そのまま俺を中心にして四方八方へと伸びていき、本来であれば入れる筈の無い床、天井、壁、あるいは空気孔やダクトといった場所へと入りながら施設中へと広がり続ける。
「え? え? え? アクセル代表、一体何を?」
「黙って見てろ。今からテロリスト共を一網打尽にするからな。これからちょっと集中する。何かあったら呼びかけてくれ」
突然広がったその光景に目を見開いている男へとそう告げ、俺の意識はスライムと同化していく。いや、より正確には手や足、耳、鼻といった感覚器がもう1つ増えたようなものか。
ともあれ極細のスライムを伸ばしていき、洋上プラント施設内全てへと張り巡らせていく。
『おい、標的は見つかったのか!?』
『まだだ。どこにもいない。C班が突入して音沙汰がないのを思えば、予想地点から
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