新しい力
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れる。アルカナは『SWORD(剣)』、現在透真が持っていない小アルカナのペルソナだ。
「うん、おかしくないか?未だ『SWORD(剣)』は色を取り戻していなかったはずだ」
透真はそういって、懐から小アルカナが描かれた四枚のカードを取り出す。現実世界では、取り出すことはおろか触れることすらままならない不思議なカードだが、それが現在どのような状態にあるかぐらいは認識できる。そして、彼の記憶が確かなら、未だ『SWORD(剣)』は色を完全に取り戻していないはずだった。
実際、テーブルに広げられた4枚のカードの内、完全に色を取り戻しているのは、『聖杯(CUP)』だけだ。肝心の『SWORD(剣)』は前回よりも色を取り戻しているとはいえ、未だ半分ほどに過ぎない。
「ですから、新しい力と申しました。これは今まで貴方が持っていた力とは、根源を異にするものなのです」
「つまり、この新しいペルソナはその宿りし血によって、使用可能になったということか?」
「そのとおりでございます。お受け取り下さい、『SWORD(剣)』のペルソナ『タイラノスエタケ』にございます」
『俺は平季武』
『主より宝刀髭切の守護を任されし、百将に匹敵する弓の名手なり』
『写し身よ 俺とお前なら如何なる敵をも射殺そう』
勇猛な名乗りと共に透真の中へと消えていくペルソナ。それを見つめながら、透真は以前混乱の最中にあった。
「平?平氏?ここ最近で得たということは、卜部や雷鋼の糞爺つながりだと思ったんが、それなら源氏、ミナモトだろうし、さっぱり分からん。髭切は聞いたことあるが、なんだったか正確には覚えてなし……。ああ、こうも意味不明だとイラついてくるな」
「まあ、急いては事を仕損じると申します。別段害があるものではないと思いますし、今は新しい力が手に入ったと考えればよろしいかと」
苛々を爆発させた透真にイゴールが宥めるように言う。
「確かにそうだな。考えても分からないものを、考えてもしょうがないし、ここでぼやいていても始まらない。現実に戻ったら、改めて調べることにするわ。すまないな、イゴール」
「いえいえ、お気になさらずに。それでは本来の私の役割を果たすことに致しましょう」
「うん?まだこれ以上何かあるのか?」
「はい、どうやら少なからず成長されたご様子。新たなる『FOOL(愚者)』が貴方に力をかさんとしております」
「そっか、知らんうちに強くなったんだな俺。それで新しいペルソナをもらえるのか?」
「はい、心静かにそのままお待ち下さい」
イゴールはそう言うとどこからともなく携帯電話のようなものを取り出す。そして、おもむろにどこかへとかける。同時に透真を中心に魔法陣が描か
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