死の谷―発相におけるネメス―
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更に目を見開く。更に。更に。大聖堂図書館では額に汗する魔術師が、渉相術を執り行う。別室では有力な神官と巫女が、神々に慈悲を乞うている。
まだ動ける人間が、死者を積み上げ火をつける。動物の脂が絶えず次ぎ足され、炎は天を焦がす。
夜明け、後に残った骨を、男も女も子供も砕く、砕く、砕く、砕いて白い砂にする。
リディウが横たわる草原で、枯れた草が全て除去される。
そして山と峠を越え、荷車の列がやって来た。
荷車は白い粉を、大聖堂図書館の前庭に撒き始めた。
リディウは瞬きし、体を起こした。
白い砂の中に、馬のない馬車と、リディウだけが存在していた。
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