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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十三話 秘められた力
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リサの両親も魔術師ではなかったが意外と多いな)

 意外なほどアリサの魔術回路の多さに内心驚きながら、続いてすずかの背中に手をあて、解析を行う。

(すずかは一、二、三……十七。
 アリサよりは少ないが魔眼持ちか、さすが吸血鬼、夜の一族だな。
 こうしてみると魔導と魔術の違いはあれど特殊な素養を持つ者同士惹かれあったところもあるのかもな)

「もういいぞ」

 士郎はすずかから手を離し、椅子に座りなおす。

「予測通り、二人とも魔術回路を持っていた。
 だがこの前話した通り魔術にはかなりのリスクを伴う。
 その上で聞きたい。
 二人はどうしたい?」

 アリサは士郎の言葉にすずかの方へ視線を向けると、同じタイミングでアリサに視線を向けていたすずかと視線があう。

(お互い、覚悟は出来てるわよね)
(うん、士郎君の話を聞いた時から)

 アイコンタクトで言葉を交わし、頷きあい

「覚悟なんてあんたの話を聞いた時にとっくにしてるわよ。
 私はあんたについていく。
 絶対に置いて行かせたりしないんだから」
「私もだよ。
 もう覚悟は出来てる。
 士郎君についていくよ」

 アリサとすずかの揺らぎや迷いのない真っ直ぐな瞳。

(この瞳をした女性に勝てた記憶がないな)

 元の世界でも真っ直ぐ揺らぎのない強い思いを秘めた瞳で見つめられたことがあった。

 あの時、士郎はその瞳から逃げた。
 だが同じ道は、過ちは繰り返さない。

「ありがとう、アリサ、すずか」

 二人の思いを士郎は静かに受け取る。

「魔術を使えるようになるには準備が要るから年明けに準備しておくよ」
「このことってなのは達には?」

 アリサの言葉に士郎は首を横に振る。

「基礎となる準備ができるまでは管理局にも伝えないから、しばらく黙っていてくれるか」
「了解」
「うん、わかった」

 その後も少し、年が明けてからの話をして

「もうこんな時間だから、迎えを呼ぶよ」

 アリサの執事である鮫島さんを呼び、士郎とリインフォースが二人を見送る。

「士郎。デバイスの件や今回の魔術の件など、かなり予定が詰まっています。
 くれぐれも無理をし過ぎないように」
「ああ、わかってる。
 さあ、俺達も休むとしよう」

 士郎は夜の空に浮かぶ月を見つめる。

 正直に言えば、アリサとすずかを管理局に、非日常の世界に踏み込ませてしまう事にまだ士郎は迷っていた。

「これで……一人じゃなくて、誰かと共に、この選択でいいんだよな」

 この選択が正しいのかなんて答えは当然ない。
 それでも

「最後まであの子たちを信じて傍にいなさい、か。
 そうだな。ついていくといってくれた
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