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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十三話 秘められた力
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なった事を覚えているか?」
「きっかけって、あの結界とかいうのに私とすずかが取り込まれちゃったアレでしょ?」
「そうだ。
あの時に張られた結界、封鎖領域に魔導師でもないアリサとすずかが取り込まれてしまった。
当然、アリサとすずか以外の人達は取り込まれていない。
だが二人はさっきも言ったように魔導師の素質は難しい。
ならば魔導師の魔力の源であるリンカーコアではなく、魔術師としての魔術回路があるために結界に取り込まれた可能性が高いと俺は思っている」
目を丸くして驚くアリサとすずか。
実を言えば、士郎はこのことに最近思い至ったのではなく、二人が結界に取り込まれた時から考えていた。
しかし、士郎が行動に移さなかった理由は二つ。
一つは魔術師の管理局での立場である。
管理局が持つ魔導という技術に新たに見つかったとされる魔術。
互いに不可侵という約束だけで新たに魔術師が見つかれば、約束を反故にし強硬な手段に出ないという保証はない。
だが士郎が嘱託ではあるが、管理局の中に入っている。
管理局にすれば魔術を知るチャンスであると同時に未解明な技術が内部にあるというリスクを伴っている。
そして、管理局に被害を与えるだけの実力を士郎は持っている。
それが故に強硬な手段の抑止力になる。
二つ目は二人の意思の問題である。
魔術師が見つかれば管理局は勧誘なり、何かしらの動きがある。
当然、アリサとすずかに魔術回路があるとわかれば、管理局は行動を開始するだろう。
二人が非日常の世界に足を踏み込むというならば管理局で嘱託なりの形で、知識を与え、守れば良い。
だが、二人が今の日常を望むのならば、管理局へ二人の魔術回路の情報を遮断しなければならない。
そのためにも管理局が間違っても二人の情報を手に入れることを防ぐ必要がある。
だからこそ今日まで士郎が行動を移すことはなかったのだ。
「だから二人のことを調べさせてほしい」
「……もし魔術回路があったらどうするの?
私達も管理局で一緒に働くの?」
アリサの言葉に士郎は首を横に振る。
「二人の未来だ。
素質だけで決めさせるようなことはしない。
管理局に所属するもよし、素質を伸ばしながら今の日常を送るもよし、魔術に関わることなく今まで通りの日常を送るもよし。
好きに選択をしてほしい。
どちらにしろ魔術回路の有無を調べてからだが」
二人は覚悟を決めたように静かに頷く。
「肩の力を抜いて楽にしていてくれ」
二人の後ろに回り、はじめにアリサの背中に手をあて、解析を行う。
(予感は当たっていたな。
やはり魔術回路がある。
本数は一、二、三……二十か。
ア
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