プロローグ (視点シフト)
とりあえず 2-(後)
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するはずなのにこの運転手は車から降りるように促したからだ。そもそもここは神界ではない
「 ・・・あの、ここどこですか? 」
「 し、神界にはあの車で行けますから! 」
そう言ってタクシーは走り去って行った。
「 まだお代を払ってませんのに・・・ 」
女性は申し訳なさそうに呟く。そして周囲を見る
そこには特殊な車両が多く停めてあり、たしかにこれなら神界へも行けそうな気がする。なんか天井についてるし、色も奇抜である
女性がタクシー運転手の行動に対していろいろと思案していると、不意に声をかけられた
「 君、私たちに何か用かい? 」
話しかけてきたのは、青いシャツの上から黒いベストを着ている体格のいい男性。なにやら装飾がついた帽子をしっかりとかぶり、ズボンは深い紺色のものを履き、腰には棒のようなものを携えている。私たち(・・・)ということは他にも何人かいるのだろう。ここのタクシー会社の人だろうか
「 はい、神界までお願いしたいのですが 」
「 あ〜、新開ね。たしかにここからじゃあ遠いなぁ 迷子になっちゃったのかな? 送ってあげるからその車で待っててね 」
「 ありがとうございます 」
新開市は現在地から車で2時間程の所にある地区であり、女性一人を歩いて帰らせるには遠すぎる。しかも今は深夜である。
同僚に事情を説明し、了解をもらった男はすぐさま女性の元へ引き返す。しかし男が車に戻ってきたときには、女性は後部座席でやすらかに寝息を立てて眠っていた。疲れているであろう彼女を起こさないように男はゆっくりと車を発進させるのだった
・・・
・・・自分が乗った車が、下が黒で上が白の二色で塗られており、屋根には真っ赤な警告灯がついていた事に彼女は気づいていない
その数分後、女性が走行中のパトカーの後部座席から忽然と姿を消し、『 お代 』と書かれた封筒を運転していた警官が見つけることになるが、それはまた別の話である・・・・
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