22話:右手に銀の弾丸を、左手に火の剣を持つ天使
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そうとわかれば行動あるのみ。
一日分の計画を三つの予備プラン付きで立てると、彼らは出発した。
最初に行くところは、糖分不足が深刻なことになっていた当麻の懇願により、スーパーマーケットとなった。
◆
そして冒頭。
スーパーマーケットに向かったら、そのエリア内を彷徨いていたマーダーに出くわした。
しかも相手が人間とは思えない(実際人間でないが)能力の持ち主で、炎剣による攻撃も避けられてしまう。おまけにコナンの支給品はすべてハズレ。
逃げるしかなかった。
当麻もコナンも走りながら考え、なるべく撒きやすい逃げ道を選んだのだが。
相手はすべての障害物を手に持つ刀で薙ぎ払うなど、強引なやり方で突破してしまうのだ。
そろそろ、足で逃げるのは無理になってきた。
「ねえ、コナンくん」
「ん?」
「君の眼鏡でさ、キーのついた車を探してくれる?」
当麻は策を思い付いた。
推理の腕ならコナンの方が上かもしれないが、戦場においての策士としての腕なら当麻の方が年期が高い。
彼女は先程聞いたコナンのかけている眼鏡の高性能さを思い出していた。
ようは超高性能な拡大鏡。望遠レンズのような役割が第一の機能。
それを使えば外からでも鍵のついたままの車を探すこともできる。
ここは駐車場だ。しかも用意したのは主催。
殺し合いを促進させる要素の一つとして、現地調達できる車があっても不思議じゃあない。
コナンならば、最短の時間でそれを見つけてくれる。
それどころか、彼は運転の仕方までわかるというではないか(本人曰くハワイで親父に教わったらしいが、胡散臭い)。
「私があいつの相手をするからその間に探してきて。そして車で私を助け出して、逃げよう」
「でも―――!」
無茶だ、と言おうとしたコナン。
しかし賢い彼はわかっていた。
当麻の代わりに自分がやると言ったところで、務まるわけがないことを。
「―――わーったよ」
悩んでいる暇はない。
今ある策を成功させなければどのみちここで両方とも終わりだ。
早い決断に流石だな、と当麻が少し不敵に笑う。
「よし、じゃあ行け!」
当麻のみが立ち止まって振り返り、火蜥蜴の革手袋を激しく振るう。
膨大な量のSPECを注ぎ込まれた手袋は本来の持ち主よりも大きな炎を生み出して、その身を焼き尽くさんと氷川に襲いかかる。
氷川はそれを、受けるのではなく退避してダメージを防いだ。
並の火力ではないことを悟ったのだ。
吸血鬼の前に、今、炎の剣を持った天使は迎え撃つ。
【当麻紗綾@SPEC】
[状態]:疲労(大)
[装備]:火蜥蜴の革手袋@空の境界
[道具]:支給品一式、火蜥蜴の革手袋@空の
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