22話:右手に銀の弾丸を、左手に火の剣を持つ天使
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してやったりな顔をしている。どうやら意外と年齢相応なところも少しばかりあるようだ。まったく可愛くないが。
「ま、まあとにかく」
話をそらす。
「エレベーター動いてたんだ?」
しかも前後が繋がっていない。
呆れたような顔をしながらコナンは答えた。意外と重要な質問だ。
「うん。電気は普通に通ってるみたい」
なら首輪を解除する手立てもあるか。
これが当麻の知る科学でできていればいいがと思いながら首輪に手を触れる。
「でもどのみち首輪のサンプルというか、見本が欲しいよね」
コナンが下から言ってくる。
「賢いなこの子供」
思わず漏らす。
コナンはエヘヘ〜と笑うが、その様子は何となく演技じみていた。
その後は互いの知り合いについて確認し合い、地図を見て今のところの二人の行動方針を話し合った結果、協力関係を結ぶことになる。
「じゃあ次はお互いに支給品を見せ合おうか」
当麻はデイパックから七七七を取り出した。
よほど気に入ったのか自慢げにしゃきしゃきと音を立てている。
「だせえ!」
変体鋏のネーミングを知った探偵は奇しくも殺人鬼と同じ感想を抱いた。あまりのだささに思わず素が出てしまったほどだ。
それに対して当麻がぶつぶつと文句をたくさん言った後、次に取り出したのは火蜥蜴の革手袋。
当麻は説明書を読み上げた。
「なになに、発火の魔術が使える手袋? 魔力に似た力を持っていれば使える?」
自分のSPECでも大丈夫なのだろうか。
試してみようと説明書を見る。
呪文を確認した当麻は勢いよく叫ぶ。
「え〜と、あぞ・エル・トゥー!」
しかし何もおこらない。
不思議に思っている当麻をよそに、コナンは冷静に突っ込む。
「お姉さん、これAzoLtoって読むんだよ」
誰でも知ってるような音楽記号の名前である。
下手すればFoLLteやMezoFoLLteまで読めない可能性もあるが、これでもIQは202もある。
「‥‥あぞると」
小さく呟きながら、当麻は左手にはめた手袋に力を注ぐ。
すると、手袋は激しく燃え上がり、極大の炎を形成した。このビルそのものを焼き尽くさんとしているように。
やがて、それは自然と何かの形になっていく。大きな炎はその激しさを失わないまま細い形に姿を変える。
変形をやめたとき、炎の形はまさしく剣だった。
当麻はそれを見て、自分はやはり左手に火の剣をもつ天使であり、ソロモンの鍵なんだなと改めて実感する
。
コナンは、呆然としたままそれを見て、当麻からSPECの話を聞いて、異能の存在を認めることとなった。
そんなこんなで、二人は自分たちが強い戦力とそれを上回る優秀な頭脳を持ち合わせていることを自覚する。
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