22話:右手に銀の弾丸を、左手に火の剣を持つ天使
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飲み込んだ。
「まずい」
別に期待していたわけではないが、今当麻が必要としている糖分は入っていなかった。
早急にハチミツをイッキしなければ。
どこかに調達できそうな所はないかなと地図を広げる。
左上にある4-Bエリアにスーパーマーケットがあるらしい。まあ、ここら辺の民家を模した建物の中にもあるのかもしれないが、確率の高い方に行くのが賢明だろう。
ついでに参加者名簿も見てみるか。
「瀬文さん‥‥?」
かつての相棒の名が、刻まれていた。
それを確認した後の当麻の行動は、ただ一つだ。
左手を地面につけて、己の神をも冒涜するSPECを解放する。
「お願い、冷泉さん―――!」
召喚するSPEC HOLDERは冷泉俊明。
予知能力を持ち、幾度となく召喚に応じ当麻を助けた。
彼を呼び、瀬文の居場所を預言してもらい合流する―――。
「なんで―――?」
はずだった。
なのに、冷泉は出てこない。
躊躇うのもほんの数秒。
当麻はすぐに原因にたどり着いた。
「クソっ! 制限か‥‥」
主催に与えられた制限。
当麻は、SPECの一切を使えなくなっていた。
だが、それがどうした?
そもそも、当麻はSPEC無しで数々の能力者を検挙していたのである。
現にニノマエを確保した時はSPECをまったく使わずに頭脳と策だけだった。
だからまさかの全封じにも動揺しない。
それ以前に、当麻の左手のSPECは人の手で封じられるようなモノではない。期待するわけではないが、そのうち戻るだろう。
そんなこんなをしているうちに、当麻のいる屋上にもう一人の人物が現れる。
ガチャ、と屋上のドアが開かれる。
当麻が目を向けると青いジャケット、眼鏡が特徴的な子供がいた。
本来は赤い蝶ネクタイもあるのだが、今は失われている。
「こんにちは」
「うん。こんにちは」
こんな状況だというのに落ち着いた様子だ。なかなか度胸のある子供だ。
「あたしは当麻紗綾。刑事だよ」
「僕は江戸川コナン」
ブッ、と。思わず吹き出した。
当麻紗綾の空気の読めないところである。
「‥‥」
コナンは避難するような細い目付きで当麻を睨んでいる。
そんなに笑わなくてもいいだろ、とでも言いたそうだ。
「ごめんごめん‥‥ククッ」
まだ笑ってる。
「‥‥向こうのビルの屋上に転送されたんだけどね」
コナンは隣にあるここよりいくらか高いビルを指差す。
当麻のいるビルよりいくらか高い。
「なんか変なことやってるお姉さんが見えたから来たんだ」
当麻の笑いが止まる。
見られたのか、あの厨二病みたいなポーズを。
コナンは
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