第二幕その十一
[8]前話 [2]次話
「先生はお相手を探すのと一緒に」
「虫歯の治療と原因の究明だね」
「うん、誰がどうしてそうしたお菓子をあげているのか」
「それを確かめないとね」
「そんなに甘いお菓子を作っているとね」
「それこそだよね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「匂いもするよね」
「それもかなりね」
「だからそこからね」
「調べていけないいんじゃないかな」
「それだと僕の出番かな」
ここで名乗りを挙げたのはジップでした。
「匂いならね」
「犬だからね」
ガブガブもジップに言います。
「やっぱりこうした時も頼りになるよ」
「だから任せてね」
「うん、その時は頼むよ」
先生もそのジップに笑顔で応えます。
「是非ね」
「わかったよ先生、ところでね」
「ところで?」
「先生女の人と会ったの?」
ジップは先生にこんなことを尋ねたのです。
「女の人の匂いがするよ」
「香水の?」
「あっ、香水の香りはしないよ」
ジップはダブダブにすぐに返しました。
「けれどサラさんとはまた違うね」
「女の人の匂いがするのね」
「誰かと会ったのかな」
「日笠さんのことかな」
先生はジップに言われて少し考えるお顔になってから答えました。
「獣医さんの」
「その人の匂いなんだ」
「いい人だよ」
先生は温和な笑顔でこうも言いました。
「親切で礼儀正しくて」
「獣医さんねえ」
「そうだよ、明日皆も会うかもね」
「一体どんな人なのかな」
首を傾げさせてこうも言ったジップでした、そして他の皆もです。
今は日笠さんについては何も知らないのでした、それは明日からでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ