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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
縁は連なりて
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を咲かせている間、黒髪の妖精―――スターサファイアは静かに青年の姿を思い返していた。
彼女もまた青年の優しさに心打たれた一人ではあるが、それを上塗りする不信感が渦巻いていた。
それには、彼女が青年へ悪戯を掛けた際に使用していた能力―――動く物の気配を探る程度の能力が関係している。
彼女の生物を探知する能力は、対象の持つ根源的な力の量によって判別される。
普段はこの能力を用いて強者と接触することを避けていたのだが、今回はリーダー的立場のサニーミルクが、彼の奇抜な外見を見て好奇心を刺激されてしまったせいで、近づいては駄目だと説得したにも関わらず接触を許してしまったのである。
結果として良い方向に転んだから良かったものの、好奇心や悪戯心から報復を受けるのが当たり前なのに、懲りないなとスターサファイアは嘆息する日々である。
話を戻すが、青年から湧き出ていた力は、今まで感じたことのない奔流を起こしていた。
妖怪とも互角以上に渡り合える博霊の巫女とも、妖怪の賢者と謳われる存在とも違う。
圧倒的ながらも他の生物とは異なる何か≠、彼の内側から感じ取っていた。
その未知の感覚に抱く恐怖と、青年の持つ優しさとの板挟みにより、友人二人のように素直に好意を受け取れずにいた。

「―――スター、どうしたの?」

「ううん、なんでもない」

心配そうに顔を覗き込んでくるルナチャイルドに、スターサファイアは笑顔で対応する。
能力に頼って得た感覚と、直接接して感じた感覚。
どちらを信用すればいいのかがわからず、二人に気付かれないように頭を抱える。

「でも、あの人の言うとおりもう悪戯はしないの?」

「ううん、続けるよ?」

「え、でも―――」

「別に約束を違えるつもりはないよ。迷惑とは思われない―――それこそ自然災害のような証拠を残さない悪戯なら、あの人の言った迷惑の定義からは外れるんじゃない?」

「それってどうなの?バレなきゃ犯罪じゃない理論を地で行ってるようなものじゃない」

「いいのいいの!だいたい私達が悪戯を止めたところで、他の妖精がそれを止めないなら私達が馬鹿みたいじゃん。それに―――」

「それに?」

サニーミルクが両の人差し指を付き合わせ、もじもじしながら呟く。

「―――こうしていたら、またあの人に会えるかもしれないじゃん」

「………ああ、そう」

ルナチャイルドがげんなりした表情で呟く。
サニーミルクの蕩けた表情を見て、察する。
ああ、これは間違いなく彼に好意を抱いているな、と。
感覚としては、吊り橋効果と似ている。
不安から安心へと感情が相転移したことで、通常より対象への評価が軒並み上昇したのだろう。
まぁ、一時の気の迷いみたいなものだから、大して気に留める必要はないと
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