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艦隊これくしょん  History Of The Fleet Girl's Wars
呉鎮守府
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対立が数百年の時を経て、再燃していた。
一方日本は島国としてシーレーンの回復に全力を注がねばならず、国民が飢え死ぬ可能性さえあった。そんな中、生み出されたのが艦娘である。鋼材などの資材と、かつて大戦時に軍艦として戦った船舶の魂を合わせることによって生み出された。とはいえ、このような兵器概念が日本だけにとどまったのは神道のもと、さまざまな神が肯定されるこの国故でもあった。しかし、峰自身はこれだけでなく、彼女たちはまだ、戦える、国を守りたいと思って深海に沈んでいたからそのような呼び出しにこたえられたのだと思った。
今現在、日本の交易路はかつての三割ほどまでに減ってしまっている。かろうじてASEANとの交易を回復したものの、石油資源などの鉱物資源はかなり厳しい状況である。












第一艦隊が帰還してから3時間余りが経過して周囲は真っ暗闇になった。ここ呉は、最大の軍港の一つとはいっても、東京や佐世保と言った大都市と比べると人の数も少ない。
真夏の夜に、芋焼酎をちびちびやりながら、ホーソンを読んでいると、執務室の扉がノックされる。
「おう、金剛。もう入渠はいいのか?」
さきほど峰の鳩尾に重大なダメージを与えた金剛が、さっぱりした顔をして執務室に入ってきた。だいぶ上機嫌そうである。
「of course! 私があのくらいで長時間入渠なんてしないネー。テートク、それよりもメールネ」
「おぉ、正規空母たちに聞かせてやりたいわ・・・」
手に持っているのは一通の電報である。さきほどまで秘書官だった赤城は臨時の代打で本来は比叡が秘書官を担当するはずだが、今は鎮守府外への使いで出払っているために、高位の艦娘が交代で任を果たしているのだ。
「ラブレターかな?」
プクーと金剛の顔が膨れるのを確認した後に二つに折ってあった電報を開く。中は正式な電報ではなく、海軍省本部にいる同僚からだった。
「こいつあ」
「ぶー・・・」
「まだ膨れてんのかよ!」
だってえ、と金剛が言うが笑って、違うよ、と言うとまた笑顔になる。やはり、笑顔が似合う。
「なんだったんですか?」
「いんや、なんでもない」
 少し考え込む動作をすると金剛が心配そうに、のぞいてくる。
「本当に、デスか?」
「ああ。大丈夫だ・・・。金剛、いつか貸した歴史の本は勉強になったかい?」
「モチロンデース。やっぱりイギリスの歴史はいいネー」
艦娘たちは生前の記憶やらを引き継ぐことはあってもまともに教育を受けたことは無い。自分のところの鎮守府では地域の元教員などを招いて艦娘たちに学校教育をしてもらっている。とはいえ、金剛たち戦艦はある程度の知識はあるので、自分の戦術や語学の本などを貸している。
「この前、貸した本だとマールバラ公か?」
「イエース!」

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