第二話 月村すずかはエロエロなの?
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、役に立ったんだね?」
「無駄な事にだけは有用な特技です」
私は自慢げに何度も『へぇ』と鳴らしながらボタンを見せ付けました。
「……あれ? でもさっきは必須スキルとか言ってなかった?」
しかし、ここで矛盾に気付いたすずかからの容赦ないツッコミが炸裂爆裂。
「あー、えーっと……」
返事に困る私。
「む、無駄でも必要なんですよ。世の中には無意味でも無価値でも必要なものってたくさんあるんですよ、ええ」
「何かよさ気なことを言って有那無那にしようとしても誤魔化されないよ?」
「ですよねー」
こんなので誤魔化されてくれるのは、うちの愚姉様くらいでしょう。
「あ、でも結構役に立つんですよ? 乙女の必須スキルっていうのは完全無欠に大胆不敵な嘘ですけど」
「なんだか無駄にかっこいい嘘だね」
「それはほら、私自身が無駄に格好良いから、口から吐き出す言葉すら……しかも嘘ですら、格好良くなるのですよ!」
えへん、と私は無い胸(あと何年かしたらきっとたゆんたゆんのばいんばいん)を張り、すすがのツッコミを待ちました。
しかし、すすがは微笑ましいけど痛々しいものでも見ているかのような表情をしているだけで、何も言いませんでした。何と言うか、『バリアーしてるからききませーん』『オレのパンチはバリアをつらぬくしー』『貴様、まさかあの時の……!』『ふっ、気付いたようだな』的なやり取りを偶然見掛けてしまった通行人のような、そんな表情です。
ちょっと傷付きました。
「すずか。言っておきますけど、さっきのはボケたんですからね?」
「うん、わかってるよ。大丈夫」
「だいじょばないですよ。わかってたなら突っ込んでください。そんな目で見られたら恥ずかしくなるじゃないですか」
「だいじょば……? あー、うん。ごめんね。これからは注意するね?」
なんて、言ってる間もすずかの表情は変わらず。もしかしたらナルシストだと勘違いされてしまったかもしれません。
「大丈夫。あやめちゃんはすごくかっこいいよ! クールだよ!」
あ。勘違いされてますね、はい。
結局、その後何度も正そうとしても誤解は解けずに帰らなければいけない時間が来てしまい、今回のお茶会は私にとって後味の悪い、苦い終わり方をしたのでした。お茶だけに。
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