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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三十八話 不屈の巫子
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てきた。
ああ、あなたがそんな顔をなさらなくてもいいんです。これは俺の意思で、俺の勝手な憧れなんですから。
――物心ついた頃にはお社に上がっていた。体のいい口減らしだったのかもしれない。巫子という華々しい肩書きに隠れた悪意があったのかもしれない。だが、どうでもいい。
幼い俺はミラ様と出会った。
ミラ様をお守りしたくて剣を練習した。
獣や魔物と話せると告げるとミラ様は紅い瞳を丸くされた。あれは嬉しかったな。
俺が親は死んだと申し上げた時、「私がセキニンを持って育ててやる」とおっしゃったこともあった。ミラ様とてお若くていらしたのに。結局、育児書は当人の俺が買いに走ったんだった。
四大様を伴っての「散歩」は思えば散々だったな。湖に落ちたり、空を飛ぶミラ様を見失って迷子になったり。
「任を解かれようと、貴女が本物のマクスウェルでなかったとしても」
俺の巫子としての人生、ミラ様と共に在った日々。ミラ様の姉を名乗る精霊の言葉がミラ様の真実でも、俺の「これ」はウソになどならない。
「俺は、ミラ様の巫子です。あなただけが俺のマクスウェルです」
一度だけミラ様に笑いかけて、ミラ様の上からどいた。
二刀を構えた。迷いはない。ミラ様の姉上といえど、ミラ様を傷つけるなら力ずくで退ける。
「ふん。主人が使命バカなら従者は主人バカってわけ。いいわ。主人に殉じるがいい!!」
狂した笑みの水色の精霊。片手の指先には先ほどと同じ巨大な黒球。
走った。入り江にある坂道を駆け上がる。その間にも小さな黒球が連続して撃たれ、俺の動きを追ったが、俺はどうにか躱しきった。
丘の上に着いて同じ高さになったミュゼ様。
助走の勢いで、丘から跳んだ。滞空時間は多く見積もっても10秒。この一撃が、勝負。
「イバルーーーーっ!」『行っけぇーーーー!』
ルタスとヌイグルミの声が背中を押した。体が軽くなる気がした。
「双牙――煌・裂・陣!!」
「くぁっ、ああああっ!? ……く、どうして、人間なんかが」
ミュゼ様は頭を両手で抱え、髪を振り乱して、空に開いた裂け目に飛び込んで行った。
着地なんて考えてなかったから、技を決めた後は一気に海にダイブした。
水中で急いで刀を片手に持ち替え、空いた刀で水を掻いて水面から頭を出した。
「ぷは!」
「イバルっ。よかった。怪我ないですか」
「何とかな」
見上げれば、例の黒い男の温和な笑み。どこか満足したようでいて、寂しげな――
「そうだ! ミラ様は」
ふり返った。だが、滝の近くの岩場にいるはずのミラ様は、忽然と姿を消しておれらた。
その後、海瀑をどれだけ探しても、ミラ
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