第一話 幼女で洋女で養女なの?
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目が覚めたらなんか病室。
目の前にはちっこい幼女。
なんでしょうか、この状況。
「あ、気が付いたの?」
「……此処は誰? 私は何処?」
「え、えーっと、ここは病院で、あなたは病院……って逆なの!」
「うるさいですよ、幼女」
「あ、ごめんなさい、じゃなくて! それよりもあやめちゃん、大丈夫!?」
「はあ、私の名前はあやめというのですか。普通の名前ですね。でも精が飛ぶ愛で精飛愛ちゃんとかふざけた名前ではないので良しとしましょう」
「ううん、本名は外国の人みたいな名前だったけど聞き取れなく……て? あれ? もしかしてあやめちゃん、自分の名前覚えてないの?」
「むむむむむ……」
「あやめちゃん?」
「……やっちゃったぜ☆ ですかね?」
「わわわっ、た、大変だよぉっ! お、お母さぁーん!」
「ちょま、あ」
なんなんでしょう、一体全体。
【幼女で洋女で養女なの?】
身体が何かに揺すられる感触で、私は夢の世界から引き離された。そして瞼を開けた瞬間に広がっていた光景は、いつも通り、視界いっぱいの自分の姉の笑顔でした。
「おはようなの、あやめちゃん。えっと、今日は体調は大丈夫?」
「……すこぶるりょうこうですよ」
「すこんぶ?」
「それをアリサにあたえるのはぜったいにダメですよ。エセチャイナむすめになってしまいますから」
「ならないよっ! 声が似てるだけでアリサちゃんにそんな特技ないよっ!」
毎朝恒例となっている挨拶に返事をしてから、これも恒例となっている姉妹漫才を終わらせて、私はベッドから起き上がり、そして身支度を整える為に、学校の制服に着替えてから、姉に連れられて階段を降りて洗面所へ向かいます。
私は高町あやめ。私立聖祥大附属小学校に通う三年生。ここ、高町家では四人兄妹の末っ子で、血縁関係のない拾われっ子。大半の記憶を喪失しているのと、人差し指から変な指輪が外れないのと、お腹に魔法陣みたいな入れ墨があって温泉お断りなのと、名前が菖蒲なのに髪と眼の色が薔薇の赤なのが悩みの普通の子供です。
「あやめちゃん、歯を磨いてあげるからお口をあーんして?」
「朝から歯磨きプレイとは……」
「プレイとか言わないで! 普通にお世話してあげるだけなの!」
「顔が赤いし息も荒いですよ?」
「あやめちゃんが変な事言うからだよっ! それに息は叫んだからなの!」
「ねえひゃん、いいよ」
「だから違うの! もおっ! いいから大人しく口を開けてったら!」
「……あーん」
洗面所に到着すると、姉は先に自分の身支度を整えてから私の準備を手伝いだす。相変わらず過保護で欝陶しいと感じるのですが、面倒なので私は彼女の好きなようにさせました。
しゃこしゃこと歯ブラシで私の歯を磨いてくれているのは高町家次女。彼女の名前は高町なのは。同い年で小学校も同
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