第一話 幼女で洋女で養女なの?
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慌ててそれを避けます。
「んんっ……はわっ!?」
大丈夫、なのでしょうか。
私は少し心配して、体調が悪いのかと尋ねようとしますが、その瞬間、なのはは一気に覚醒して立ち上がりました。
「あ、あやめちゃん、今何か声が!」
「『ねえ、きみ。ぼくと契約して魔法少女になってよ!』」
「ち、違うよっ! 声はさっき聞こえたのと一緒だけど、そんな事は全然言ってなかったよ!」
「危険がどうこう言ってましたよね」
「そう、それ! それなの!」
なんだか面倒臭そうなフラグをびんびん感じますが、なのははそんな事は全く考えていないのか、心配そうにおろおろとしだします。
「だ、大丈夫かな!? た、たぶんあの声は、もしかしたらフェレットさんなの!」
「喋るフェレットとか珍しいですね。ふむ、取り敢えず返事してみますか?」
「ど、どうやって!?」
「…………念じて?」
試しにやってみる事にします。
《あー、フェレット野郎さん。何が危険なのか知らないですけど、助けて欲しかったら出すもん出すにゃー、ですよ。こう、何て言うか……金銀財宝とか。それが嫌なら自力でふぁいと!》
《ちょ、なっ、あ、あぶなっ……って、会話出来てる!? えっと、そこの貴方! お願いしますから助けてくだ――》
途中で途切れる念波(?)。
まあ、それはともかくとして。
「普通に会話出来ましたね」
「あやめちゃん、強欲過ぎなの! てゆーかなんか頭に聞こえたの! あやめちゃんって超能力者だったの!?」
「学園都市一位の座は頂きですね」
「たかがテレパシーだけで調子に乗りすぎだよぉっ! いや、確かにすごいんだけれど……っ!」
人間やってみれば何でも出来るものなのですね、うん。
「てゆーかそんな状況じゃないよ! た、たたた助けに行かないと!」
「こんな夜更けに?」
「うっ……」
着替え出そうとしていたなのはに声を掛けてみると、彼女はぴたりと止まってしまいました。
「………………」
しかしそれから何かを思い付いたのか縋り付くような視線で私を見ます。
「あ、あの……あやめちゃん?」
「…………はあ、わかったですよ。士郎達にはなのはがいない事がバレても上手く誤魔化しておきますからさっさと行きなさいです」
私がそう言うと、なのははパァッと眩しい笑顔を見せました。
「あ、ありがとう、あやめちゃん!」
「いってらっしゃい、です」
私の返事を聞くとなのはは猛スピードで速着替えを済ませ、あまり音を立てないようにして部屋から出ていきました。
それから。一人になった部屋で私は何と無く思い付いた言葉を口に出します。
「この広い空の下には、幾千、幾万の人達がいて、いろんな人が思いや願いを抱いて暮らしていて、その思いは時には触れ合って、ぶつかり合って。だけど、その中のいくつかは繋がっていける。伝え合っ
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