第一話 幼女で洋女で養女なの?
[11/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が増えるようです。そういえば私を引き取る前も同じように家族会議をしたのですかね? なーんて。
「さあ、冷めない内に食べちゃってね」
桃子さんがそう言うと、子供達が「はーい」と重なるように言って、それから全員で「いただきます」と手を合わせて、漸く食事が始まります。
「桃子、サラダ取ってくれるか?」
「はぁい、どうぞ」
「あ、俺も」
「はいはぁーい」
「あやめ、野菜もちゃんと食べなきゃダメだよ?」
「わかってますよ、美由希」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん! なのはが残さず全部食べさせてあげるから!」
「……少食だからお手柔らかに、です」
高町家はいつも笑顔で溢れています。
☆
夕食後。部屋に戻ってから宿題を終わらせて、お風呂に入ってパジャマに着替え、歯を磨いてからまた部屋へ戻って。子供二人には大きめのダブルベッドに腰掛けながら、私は今日借りてきた本を読もうか迷っていました。もちろんフランス書院文庫ではありません。講談社ノベルスです。第0回メフィスト賞受賞者のデビュー作です。
「あなくすなむーん」
「いもほてーっぷ……ってなんでいきなりハムナムトラなの?」
「そんな気分でした」
「どんな気分なの……」
気まぐれにそんなやり取りをした後、結局本は明日読む事にして通学鞄へ。
「そういえばなのは、アリサとすずかにフェレットの事を報告したですか?」
「あっ、いっけなーい。忘れてたの!」
それから思い出した事をなのはに伝えて、私はベッドに寝転びます。
「ええっと……」
なのはがピンク色の携帯を充電器から外して、操作を始める。
「アリサちゃん、すずかちゃん。あの子はうちで預かれる事になりました。明日、学校帰りに一緒に迎えに行こうね。なのは。送信っと」
そして、それが完了するとまた充電器に戻しました。
私はそんななのはの様子を確認し終えると視線を外し、コンポの電源を入れてヘッドフォンを装着します。
《き――え――ま――――か――》
そんな時、微かに声が聞こえました。
私は意識をハッキリと集中させます。
すると声もハッキリと聞こえました。
《聞こえますか? 僕の声が聞こえますか?》
遠くから聞こえてくるというよりは、頭の中に直接響くような、まるでテレパシーのようなその声。なのはも同じ声が聞こえているらしく、なのはは、
「あ、夕べの夢と、昼間の声と同じ声」
なんて独り言のように呟きます。
《聞いてください。僕の声が聞こえる貴方、お願いです! 僕に少しだけ力を貸してください!》
「あの子が喋ってるの?」
また声。そしてなのはの独り言。
《お願い! 僕のところへ! 時間が……危険が、もう……》
なんだか危機的状況に陥っているみたいな声の言葉。それを聞き終えた後、なのはがベッドに倒れ込んできました。
私は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ