第一話 幼女で洋女で養女なの?
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じクラスだけど一応姉。オレンジ色のように明るい茶髪と青い眼なのに純日本人という変わり者。父親と母親の実子は彼女だけという複雑な家庭環境でも悩んだりしない心が強い子。雪降り積もる真冬の公園で行き倒れていた私を発見してくれた恩人。その時の事が原因なのか記憶を喪失したり虚弱体質になったりしている私を気にしている優しい子。過保護でシスコンなのがちょっとアレだけど一応普通の子供です。
「はいっ、わたしとお揃いの髪型出来上がりなの」
「今時ツインテールとか最早あざとすぎなのなの」
「う、うるさいのっ! てゆーか真似しないでったら!」
と、そんなこんなしている内に身支度終了。私となのはは朝食を摂る為にリビングへ向かいます。
そこにいたのは二人だけ。キッチンにはなのはを成長させたような美女。リビングには椅子に座りながら新聞を読んでいる黒髪黒眼の典型的な日本人の美青年。物凄く若作りな見た目だけど実は三十歳を越えているこの二人が私達の両親。
「おはよう」
「あ、なのは、おはよう」
「おはよう、なのは」
なのはが挨拶すると最初に母が応え、続くように父も挨拶を返す。
「あやめもおはよう」
「おはよう、あやめ」
「おはようございます」
父、母が私にも挨拶してきたので私も頭を下げて挨拶を返しました。
「これ、お願いね」
「うん、任せてっ!」
なのはは母にお願いされて朝食をテーブルに並べていきます。
そんな姿を横目に、私は父が座る斜めの指定席の椅子に腰掛けました。
「あやめ、今日は体調大丈夫か?」
「いえすです、士郎。今なら林檎を片手で握り潰せるような気もします」
「ははっ、それは良かった」
彼は父親、高町士郎。駅前にある喫茶店『碧屋』の店主兼マスター。近所のサッカーチームのコーチ。御神流だか神鳴流だかの剣術の使い手で、人間離れした身体能力を持つビックリ人間。戸籍も何も無かった私をいろいろ助けてくれて、そして、最終的に私を高町家の家族に加えてくれたお人好しさんです。
「朝ご飯、もうすぐ出来るからね」
彼女は母親、高町桃子さん。喫茶『碧屋』のパティシエ兼経理担当。士郎の後妻。私をいろいろ精神的に救ってくれた恩人さん。士郎と同じくお人好し。
ちなみに『碧屋』は駅前商店街の真ん中にあるケーキとシュークリーム、自家焙煎珈琲が自慢の喫茶店。学校帰りの女の子や男の娘や近所の暇を持て余した奥様達に人気のお店です。
「お兄ちゃんとお姉ちゃんは?」
なのはが朝食をテーブルに並べ終えた後、ふとそれを思い出したのか、士郎の方を見て尋ねました。
「ああ、道場にいるんじゃないか?」
それを聞いて士郎は新聞を読み続けながら曖昧に言葉を返します。
言葉は曖昧ですが、士郎の推測はきっと正しいでしょう。上の兄妹は毎朝剣術の修業をしているのですから。
「そっか、わた
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