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無欠の刃
下忍編
秘密
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戦でその効果を発揮していれば、カトナはすぐにでも気が付いて、実験を繰り返し、検証しただろう。
 だが、カトナが気づいていないのだ。
 しかも、何年もである。
 実戦では発動しにくい封印式なのだろうかと、今までの知識や経験を総動員して、頭を働かせていたが、該当せず、舌打ち一つして、カトナは自来也の目を見つめる。
 声を出さずして続きを催促してきているカトナに、呆れつつも自来也は答えた。

「対象に触れながら、チャクラを流せば、作動できるだろうの。そんなにチャクラの消費量は多くない。おぬしでも、問題なく使えれるレベルじゃな。しかも、触れた…封印式が込められた刃で斬られた対象から、一定のチャクラを封印式に封印するものじゃの。しかも、暫くためておける」

 その言葉が理解できないほど、カトナは馬鹿ではない。
 頭が一瞬のうちにフル回転し、自分が何ができて何が出来ないのかを、彼女は一瞬のうちに理解し、驚愕する。

 「つまり…相手のチャクラを奪える?」

 斬った相手のチャクラを限定的とはいえためておくことが出来、使うことができる。
 カトナにとっては、それはあまりにも代えがたい魅力だ。

 「そうなるの。だが、この封印式だと二時間に一回が限度じゃし、チャクラを込める量から推測して、おぬしじゃ、一日で3、4回が限界だな」

 それでもいい。それでもいいんだと、カトナは拳を握りしめた。
 強くなれる。もっともっと強くなる、なれる。そうしたら、

 みんなをまもれる。

 カトナは、とても嬉しそうに微笑んだ。

・・・

「ごめんね。お見舞い、付き合わせて…」
「気に、しないで。私も、用事、ある」

 といっても、正確にはカトナではなくナルトなのだが。
 自来也の厳しい個人レッスンのせいでぬけてこれない弟を思いながらも、気兼ねない動作で、しかし細心の注意を払いながらも、カトナは病院に入ろうとし。
 殺気を、感じとった。
 全身の毛が逆立ち、鳥肌が立つ。
 サクラもまた敏感に感じ取り、二人そろって上を見上げ、サクラは気づいたように声を上げる。

 「あそこ…リーさんの、入院してる場所じゃない!」

 瞠目し。
 カトナは一瞬で思考し、次の瞬間、壁を駆け上がった。
 下で見ていたサクラがぎょっとしたように目を見開いたが、カトナは気にせず、全速力で駆け抜けると、目的の窓から部屋の中に入る。
 幸いにも、窓は開け放たれており、余計な手間暇や時間はかからなかった。
 ばっと辺りを見回した彼女が見つけたのは、自分の目の前の獲物にしか眼中が無い我愛羅と、抵抗できないリー。そして、印を組もうとしているシカマル。
 三人を見比べ、彼女は一目散に、我愛羅に対して手を伸ばした。

 「なに、してるの」

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