始まりの章
[2]次話
俺は人間、ずっとそう思ってた。
・・・・・・
いや、思いたかった。
「鬼さんこちら、鬼なる方へ〜」
「言ったな、捕まえてやる!!」
今日も、寺子屋の友達と遊んでいた。
これが、俺の普通だった。
家族?そんなのは居ない、でも
育ての親ならいる。
「ババァ〜ただい…いっでぇ!?」
「ババァじゃなくて?」
「紫デシタ…」
俺に鉄拳を下したのは妖怪の賢者、八雲紫。
紫いわく、俺が赤ん坊の頃ぼっちだった所を
助けてくれたと言う。
「遅かったわね、今日も?」
「うん、今日はけいたろうがな!」
俺は今でも、拾って育ててくれたことには感謝感激だ。
でないと、今ごろ餓えかなんかで死んでたからな。
「紫〜」
「ん?何かしら?」
「人間の俺に優しくしてくれて、ありがとな!!」
「………、ぷっふふっ何を今さら」
「あ、今笑ったな!?俺真面目なのに〜」
「あはは、ごめんなさいね〜」
いつまでも、終わるまで幸せだと思っていた。
そう、最期まで…、でも。
“俺に終わりなんて、無かったんだ”
[2]次話
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