5部分:第五章
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第五章
「それではですね」
「今日はゆっくりとですね」
「休んで下さい」
「そうさせてもらうわ」
セーラは微笑んでだ。彼等の言葉を受けた。
そうして実際にだ。休もうとする。しかしここでだった。
報告が来た。それは。
「れっ、またかよ!」
「また来たのかよ奴等」
「懲りない奴等だな」
こうだ。まずは整備兵達が声をあげた。
「さっきこてんぱんにのされたばかりなのにかよ」
「まだ来るのかよ」
「ったく、諦めの悪い奴等だな」
「本当にな」
ドイツ軍に対してだ。ある意味において賞賛の言葉を出していた。彼等にしても必死だ。
そのドイツ軍の数はだ。どうかというと。
「百機はいるぞ」
「流石に今回は少ないな」
「けれど百機もいるのか」
その数にもだ。呆れる彼等だった。しかしだった。
彼等はだ。それでもだった。
「じゃあ。うちの基地でもだな」
「出撃準備か」
「今日はこれで終わりかって思ったがな」
「全くな」
こうしてだ。彼等が整備兵としての仕事に向かおうとした。しかしだった。
ここでだ。セーラが言うのだった。
「スピットファイアはあるかしら」
「えっ、まさか大尉」
「今もですか」
「出撃されるんですか!?」
「まさかと思いますけれど」
「勿論よ」
その通りだとだ。セーラも答える。
「敵がいて動ける戦闘機があるのなら。それ私自身が戦えるのなら」
「それならですか」
「ですが今撃墜されたばかりですが」
「それでもですか」
「出られるんですか」
「そうよ」
その通りだと言ってだ。それでだった。
実際にだ。そのスピットファイアをだというのだ。
「あるかしら、それで」
「ええ、まあありますけれど」
「一機予備であります」
「それでそのスピットファイアに乗られて」
「今からですか」
「行くわ。それで敵を倒して」
そうしてだというのだ。それから。
「英国を護るわ」
「ですね。英国の為に」
「その為にですね」
「出撃されて」
そうして戦う。セーラが考えているのはそのことだった。
彼女のその心を知りだ。整備兵達もだ。
強い顔になり頷きだ。こう言うのだった。
「わかりました。それでは」
「今から」
こうしてだ。セーラにそのスピットファイアを出してだ。そのうえでだ。
彼女の出撃を見守るのだった。彼女はそうしてだった。また戦いに向かうのだった。英国の為に。
女騎士 完
2011・7・29
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