十九話:世界はきっと残酷だ
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そんな様子にオリジンはもっと早く教えておけばよかったと後悔する。
前回の小言は人間の時間で一年はあったなと思いだす。
時の大精霊に長すぎると言う感覚は無い。
「しょうがないな……。でも―――“審判”には関わらせてね」
「今なんといった? オリジン」
“審判”と言う言葉に驚愕の表情を隠せないクロノス。
「“審判”だよ。“彼”が望んだんだ。願いを叶える機会を。ただ一つの願いを叶えるためにね。だから僕は“彼等”と契約を結んだ」
「なぜ、そんな契約を結んだのだ。ただ一人の人間の為にそこまでする必要もあるまい」
「運命に抗う力を持っている。そんな彼の選択を見てみたいと僕自身が思ったからかな」
「…………どういった条件にしたのだ?」
色々と言ってやりたいことはあるが。
今はこっちの条件の方が大切だと思い。聞くクロノス。
「“彼等”の中で最後まで生き残った一人の願いを叶える。条件も“彼”が考えた物さ」
「なぜその条件をのんだ? 寿命まで待たれたらどうする気だ?」
「大丈夫だよ。審判の期間は半年だけ。それまでに審判に挑む者が最後の一人にならなければ“人間”の敗北さ」
「という事は最後の一人まで殺し合うというわけか…。実に人間らしい条件だな」
いかにも気に入らないといった風に喋るクロノス。
その様子を愉快そうに見つめるオリジン。
話している内容は実に物騒なのだが彼等は気にした様子はない。
それこそが人と精霊の違いなのかもしれない。
精霊の主は否定するだろうが。
「して、奴らが負けた場合はどうなるのだ?」
「これは審判だ。以前と同じで人間が負けた場合は『この世界の人間から意思を奪い、マナを生み出すだけの物体に変える』という条件を飲んだよ。ただ一つの願いの為に“彼”は全てを犠牲にするつもりだ」
「やはり人は愚かだな……。それで“審判を越えし者”はどうするのだ? 奴は今回の件とは別枠だ。奴も審判に挑ませるのか?」
「審判に関わるか関わらないか。それを選択する機会はちゃんと与えるよ。
“審判を越えし者”―――ルドガー・ウィル・クルスニクには」
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