十九話:世界はきっと残酷だ
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恨む権利は俺にはない。
選択の過程で奪ってきた命。捨てていった大切な者達。
恨まれるのは俺の方だ。
でも…こいつが言う一族だからそんな選択が当然だという理由は―――
「絶対に―――認めない!!」
串刺し状態だったライザーを無造作に上へ放り投げる。
そして最後の一撃のためにゆっくりと槍を構える。
「俺にとっての“選択”は! “覚悟”は! 俺の大切な人達との“繋がり”だ!!」
それを侮辱する奴は何人たりとも許さない!
絶対に“繋がり”を壊させない! だからこれで終わらせる!!
撃ち抜かれた鳥の様に落ちてくるライザー。
それを食い殺すがごとく襲い掛かる、巨大な衝撃波。
「ジ・エンド!!」
「――――――――ッッ!!?」
声にならない悲鳴を上げて消えていくライザー。
もう、二度と俺の前に現れるな。
『ライザー様の『王』リタイヤ。よってこのゲームはリアス様の勝利となります。』
校舎に俺達の勝利を告げるアナウンスが響いていく。
これで―――俺達の勝ちだな。
Sideリアス・グレモリー
私は……どうしようもなく弱い。
眷属の力がなければ何も出来ない。
私達は『レーティングゲーム』に勝った。
でも、私は勝てなかった。
私は、試合に勝てずに、勝負にも負けた。
……眷属としての勝利は、私にとっての敗北となった。
勝てば官軍とは言うけれど浮かれた気分になんてなれない。
イッセーはゲームが終わってすぐに倒れた。
祐斗も小猫も朱乃も治療を受けている真っ最中。
アーシアはまだ自分を責めている……。
今回の勝利はルドガーにおんぶに抱っこで手に入れた物。
お兄様が困った時はルドガーを頼りなさい。と言った意味が分かったわ。
彼は本当に強い。一人で半分以上の敵を倒している。『王』を取ったのも彼。
それにあの圧倒的な力―――骸殻。
自分の一族に伝わる力だとだけ聞いたけど。それ以上は話したがらなかった。
私も話す気分になれなかったから深くは聞かなかったけど……。
今思うと気を使ってくれたのかしら? 眷属でもないのに色々と苦労を掛けてるわ……。
そんなルドガーがいたから眷属達の努力は無駄にならなかった。
……今も倒れている眷属達の努力は。
今、立って動くことが出来るのは本当の勝者であるルドガー。
そして…何も出来ず敗れた私。
……みんなが体を――命を張って守ってくれた私。
イッセーなんて両手両足が折られている。
歯も折られている。魔力は枯渇状態。
それに不完全な禁手の代償として左腕がドラゴンになって
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