十九話:世界はきっと残酷だ
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「ゴッ! ガッ!? ギィッ!? ガアッ!? グオオッ!? ギャアアアアッ!!?」
上空から槍で下突きを繰り出してその反動で飛んで斬撃を飛ばして飛ばして。
また上空から槍で下突きを繰り出してその反動で飛んで斬撃を飛ばして飛ばして飛ばして。
さらにまた………と続けていく。
そう簡単に殺しはしない。俺はこいつが気に入らない。
何の覚悟もなしに一族の為だと。“一族”の犠牲になるのが当然だと言う。
こいつが気に入らない! 何の絶望も知らずに与えられた物を使うだけのこいつが!!
「“選択”させられることを当然だと言う。
お前が気に入らないんだよおおおおおっっ!!!」
俺の猛攻を受け、倒れ伏すライザーの上に十字架の様に槍を突き立てる。
もはや、叫び声すら上がらないが攻撃の手は休めない。
俺は怒っているんだ。
「………何故だ。なぜ…そうまでして……選択にこだわる。
選択なんてただ選ばされていればいいだけの簡単な物だろ!
覚悟なんかいらないはずだろ!?」
「生まれた時から決まっていて…。何の覚悟も…何も賭けずに選ぶ…。
―――そんな物は選択じゃない!!!」
怒りが収まらない。
今まで出したどの声よりも大きな声を出す。
部長とイッセーがビクリと怯えているが気にしない。
「“審判”は残酷だ。耐えようもないほど。人は脆弱だ。世界を壊すほど……」
「な、何を…言っている?」
俺の言っていることが分からず呆然とするライザー。
部長やイッセーも同じような物だ。
“一族の力”は一種の呪いみたいなものだ。
「必要なのは“選択”……。命を、世界を、己の全てを賭けた“選択”だ!」
突き刺していた槍を引き抜き睨みつける。
それに怯えてライザーは逃げようとする。が動くことが出来ない
奴には既に逃げる力は残っていないらしい。
「全てを破壊し! 全てを賭ける覚悟が無い奴が! “選択”を語るな!!」
「ヒイッ!?」
完全に怯えて悲鳴を上げるライザー。
そんなライザーにまた怒りが込み上げてくる。
こんな奴が選択を侮辱したなんて許せない。
それに…っ!
「もし、お前の言う通り。簡単に“選択”が出来るなら。俺は――“俺達は”―――」
兄さんの顔がフッと思い起こされる。
いつも優しい笑みを浮かべて俺を見守ってくれていた兄さん。
もう、二度と―――帰ってこない大切な人。
「―――何も失わずに済んだっ!!」
「づあっ!?」
再びライザーを槍で貫きながら俺は悲痛な雄叫びをあげる。
クルスニク一族であったが為に無茶苦茶にされた俺達の人生。
だからと言って
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