マブラヴ
0865話
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…そう思った、その時。俺の視界に入ってきたのは、ちょっと信じられないようなものだった。
こちらに向かってくる戦術機を捉えたのだ。
いや、それだけならどうという事は無い。それを予想していたからこそ、こうしてここにいるのだから。だが、その機種と数が問題だった。
その機体はF-15。いや、正確に言えばそのF-15の改修機でもあるF-15E。2年前に実戦配備されたばかりの筈の機体であり、少なくてもテロリストが運用出来るような機体ではない。
更に問題なのはその数だ。計12機、1個中隊がフォーメーションを組んでこの洋上プラントへと向かってきている。
アメリカ軍では最強の第2世代戦術機と呼ばれている新型機が、これだけの数キリスト教恭順派に流れているのか? しかもその機体色は灰色。国連軍の機体であれば青色の筈なのを見れば、この機体の出所がどこなのかは明白だろう。
本気でアメリカ政府、あるいはアメリカ軍の中でもかなりの大物が裏にいるらしい。
確かにここにいるのがこの世界の住人であれば手も足も出ずに死んでいただろう。だが……お前達は選択を間違った。
「アクセル? どうかしたのか?」
「いや、何でも無い」
アルトの問い掛けに首を横に振り、早速とばかりに空間倉庫の中からVF-25Fを取り出す。その機体に装備されているのは、俺がS.M.Sに所属していた時に使っていたのと同じトルネードパック装備の機体だ。
そう、ここにいるのは俺達シャドウミラー。そしてマブラヴ世界より遙かに先を行った技術を持っているマクロス世界の住人であり、その中でも精鋭中の精鋭が揃っているS.M.Sの中でもトップクラスの実力を持つ者だけが所属出来る、スカル小隊のメンバーだ。
……ちなみに俺がS.M.Sを退社した関係上、アルトのコードネームは1つ上がったらしい。
ともあれ、EX-ギアを装備したアルトに向かって口を開く。
「この世界の機体、戦術機という種類の機体だが相当に脆い。出来れば情報を得る為に、殺さずに捕らえてくれ。……国連やアメリカに対する交渉材料にもなるしな」
「いや、その……」
何かを言い返そうとする国連職員の男だが、何を言っても墓穴を掘る事になると判断したのだろう。言葉を途中で止める。
アルトもまたそれ以上は何も言わず、小さく頷いてからVF-25Fのコックピットへと入っていく。
すぐさま機体を起動し、ファイターのままこちらに向かってきている戦術機の方へと向かって発進した。
それを見送った後、色々な意味で可哀相な状態になっている国連職員の男を引っ張りながら再び洋上プラント施設内へと戻る。
考えてみれば、この男も俺達の案内を引き受けたばかりにこんな出来事に巻き込まれているんだから悲惨だよな。
「ほら、俺達はこっちだ。後
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