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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
外伝 苗っち、幻想郷でいらんことする
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てきては何をするでもなく酒を飲む宴会好きの鬼である。
見た目は未成熟な女の子にしか見えないが、彼女の頭から生えた日本の大きな角がその種族をはっきり表していた。妖怪は年を取るという概念が薄いため、あんな幼女みたいな見た目でも霊夢の100倍以上は生きている筈である。

そしてそんな彼女に追いかけられている少女が鳳苗(おおとりなえ)。ここ最近幻想郷にやってきた道士(タオシー)の少女である。年齢は自分と同じか、少し若いくらいだろうか。東洋人らしい黒髪をなびかせながら必死に逃げる様は、余程真面目か若しくは酒に悪い思い出があるのだろう。


実は、苗と萃香が出会ったのは今日が初めてである。
そもそも苗もこの神社に来たのは今日が初めてであり、友人とはいえ然程親しいと言える間柄でもない。そんな彼女と定期的にここを訪れる萃香が出会う事には然程不自然を感じなかった。そして酒を嫌がっている苗に萃香が面白半分で酒を強要することにもたして不自然は感じない。
苗は仙術を使う仙人の見習い、道士だ。そして仙人は禁欲主義が基本。欲の対象に含まれる酒を避けるのはある種当然とも言えた。


だが彼女が分からないのは、別の事である。


こんな話をするのは変かもしれないが、私の勘はよく当たる。それは博麗の巫女に選ばれた者なら誰しもそうなるのではなく、私だけが特別らしい。幻想郷を管理するあの胡散臭いスキマ妖怪曰く、既に私のそれは予知能力に近いレベルのものらしい。そして、私はそんな事を言われるまでもなくいつも勘に従って生きてきた。

物事の判断は勘が基本。戦いにおいても勘で咄嗟に回避した攻撃は数多にある。私の大親友であり、この世に生を受けた頃から助言をしてくれるこの第六感様は、言われてみれば確かに勘の一言で片づけるには実績がありすぎる。

で、その勘が苗と初めて会った時にこう告げたのだ。


―――この子は幻想郷を滅ぼす。


余りにも突拍子もないそれは、皮肉にも一度も自分を裏切ったことのない勘が告げたものだった。私はこの時、自分の命を賭してでもこの子を止めなければいけないのだと覚悟を決めた。彼女は恐らく幻想郷に終わりを告げに来たんだ、と確信した。

が、しかし―――

「しかし、まわりこまれてしまった!!」
「うわーんずるいよその霧になる能力〜!それ使うの禁止!」
「でもそれって根本的な解決にはなりませんよね?」
「ミストさんになるのも禁止!」
「何だって!?こんな理不尽、地底では考えられない・・・!」
「っていうか萃香ちゃんそのネタどこで手に入れたの!?」
「んー・・・かぐや姫の”ぱそこん”とか言う奴で」
「まさかのネット環境ありぃぃぃーーー!?」

―――蓋を開けてみればあんなのである。当然ながら全く以て危機は感じないし、
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